「新世代に期待はできない…」ダービーでの“ぬるさ”に元マンUの伝説CBが持論「ファーガソンは狂ったようにキレた」

2020年12月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

スコアレスで決着した試合後にハグを…

ユナイテッドで気迫あふれるキャプテンだったファーディナンドがシティとのライバル関係を語った。 (C) Getty Images

 過去、闘争本能をむき出しに熾烈なバトルが繰り広げられてきたマンチェスター・ダービー。だが、近年はその"隣人関係"も変わってきているようだ。現地時間12月13日に行なわれたプレミアリーグ第12節のマンチェスター・ユナイテッドとマンチェスター・シティの対決後の振る舞いが物議を醸している。

 互いに決め手を欠き、スコアレスで決着した試合後だった。両チームの選手は健闘を称え合って笑顔でハグをかわしたのだ。

 あらゆる試合の後に見られる何気ない光景に思えたのだが、選手たちの振る舞いにOBたちは猛反発。90年代のユナイテッドを統率した元アイルランド代表MFのロイ・キーンは、自身が解説を務めた英衛星放送『Sky Sports』で、「本当に途方に暮れているよ」と嘆いた。

「無理に激しくしろとは言わないよ。ただ、ダービーが終わって、あんなにもハグやおしゃべりしているのを見るのは初めてだ。ダービーだぞ! 心底、腹が立っている。今日の両チームの低いクオリティと結果は本当にお粗末で、全くがっかりだった。あの2クラブは試合に勝ちに行き、成功を収めてきたのに、今日はリスクを冒す気がゼロだ」

 このユナイテッドで絶大なリーダーシップを放った闘将の発言は、SNSで「時代は変わった」などの批判も渦巻いた。それでもOBたちは後輩の振る舞いが"ぬるく"見えるようだ。

「俺たちは狂った関係にあって、キスやハグなんてできなかったし、するつもりもなかった」と語ったのは、ユナイテッドでキャプテンも務めたリオ・ファーディナンドだ。

 2000年代に名将アレックス・ファーガソンに師事した元イングランド代表DFは、自身のYouTubeチャンネル『FIVE』において「新世代に俺たちの時代のようなことは期待できない」としながら、こう続けた。
 
「俺たちも友好的だったよ。コンパニやレスコット、ジョー・ハートとはかなり仲が良かった。ただ、試合が近づいた時だけは違った。互いに近寄りもしなかったし、ましてや試合が終わってハグをするなんてことはありえなかった。今の世代の価値観が違うことは理解している。ただ、あれはやってはいけない行為だと思う」

 さらにファーディナンドはマンチェスター・ダービーでの逸話も披露した。

「忘れもしないよ。俺が初めてマンチェスター・ダービーでプレーした時だ。俺たちが1-3で彼らに負けたんだけど、試合後にファン・ニステルローイが相手選手とシャツを交換してロッカールームに帰ってきたんだ。

 でも、水色のシャツを見た途端にファーガソンが激怒したんだ。狂ったようにキレた彼は、顔面をもはや紫にしながら、『こんなシャツを我々のロッカールームに持ち込むんじゃない』と怒鳴り散らしたんだ。この時から俺は、とくにユナイテッドにいるならハグやキスは許されないと思ってきた。けど、今は不文律も違うんだろうね」

 強烈なライバル関係が価値を高めてきたマンチェスター・ダービー。それだけに、レジェンドたちは昨今の選手たちの振る舞いにいささかの寂しさを感じているのかもしれない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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