「深く反省するだろう」上海申花MFの危険タックルが物議! 中国メディアは「悔い改める時だ」と糾弾

2020年11月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

夫人は「人間性を表すものではない」と訴える

FC東京との緊張感のある一戦のなかで、オリヴェイラを負傷させてしまったチン・ションのプレーが物議を醸し続けている。 (C) Getty Images

 アジアの頂点を決める戦いで見られた危険なプレーが波紋を広げている。

 事の発端となったのは、現地時間11月27日に中立地カタールで開催されたアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージ第4戦、FC東京対上海申花(中国)でのワンシーンだ。

 スコアレスで迎えた48分、敵陣右サイドで相手を振り切ったFC東京のディエゴ・オリヴェイラが加速したところに、斜め後ろから上海申花のチン・ションがスライディングを炸裂させたのだ。

 足の裏から足首に飛び掛かるという信じがたい危険タックルであったが、主審はイエローカードと忠告をするにとどめた。一方で、苦渋の表情を浮かべて倒れ込んだD・オリヴェイラは立ち上がれずに担架で運び出され、負傷交代を余儀なくされた。

 試合は2-1でFC東京が勝ち切ったものの、果敢なドリブル突破を仕掛けた助っ人FWに対する悪質なタックルは物議を醸し続けている。

 中国のスポーツポータルサイト『新浪体育』は、「チン・ションは中国版ウィキペディアで、"キラーキング(殺人王)"の異名が付けられた」とレポートしたうえで、「彼は日頃はユーモラスで、心優しい人間だが、プレーでは悪人になる」と綴り、チン・ションの妻のコメントを紹介した。

「まず第一に私の夫は故意にやったわけではない。今回の行動は決して褒められたものではないけれど、その人の人間性や性格そのものではないです!」
 

 そして、同メディアは「チン・ションをよく知る関係者たちからの情報」として、次のようにも紹介している。

「国内外のSNSで非難を受け続けているチン・ションだが、普段の彼は気さくで、正義感に溢れていて、何よりもユーモラスな面白い男だ。ネットで叩かれているような『邪悪な人間』ではない。だが、ピッチに立った彼は友人たちが紹介するような人ではなく、血気盛んなファイターとなる。以前にも相手選手を傷つけてしまっていた彼は、病院に見舞いにいき、『すまなかった』と謝罪をしにいったことがあった」

 チン・ションの持つ"二面性"を紹介した『新浪体育』は、レポート記事の最後をこうまとめている。

「中国サッカー界にはこれまでもこういったことが問題視されることがあったが、相手を傷つけた選手の大半に改善は見られなかった。だが、チン・ションは正義感を持つ真っ当な人間だ。彼は間違いなく自らの不合理な振る舞いを深く反省するだろう。

 オリヴェイラに対する行為が意図的であったかどうかにかかわらず、中国や海外のファンのチン・ションに対する悪役のイメージが短期的に変わることはない。この問題は、彼個人のことではなくチームや仲間、さらには中国サッカー界全体の損失だ。34歳で、家族を持つ男は、自らの行ないを悔い改める時がきた」

 危険なプレーを地元メディアからも断じられたチン・ション。すでにベテランの域に達している彼が、これからプレースタイルを変更するとは考えにくいが、はたして――。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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