【横浜】ACLの独特の雰囲気がそうさせたのか――見慣れない終了間際のボールキープ

2020年11月27日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

追加点を狙うよりも、この1点を守る

上海上港との再開初戦は、苦しみながらも1-0で競り勝つ。仲川(23番)は「チームで掴み取った勝利」と振り返る。(C)Getty Images

 珍しいワンプレーだと思った。

 1-0で勝利したACLのグループステージ3節・上海上港戦、90分に天野純が決勝点を決めた数分後、敵陣のコーナーアーク付近で横浜の選手たちがボールをキープして、時計の針を進めようとする。

 リードを得たまま試合を終わらせるための"時間稼ぎ"。別段目新しいことではないが、アタッキング・フットボールを標榜し、貪欲に2点目、3点目を奪いに行く横浜では、あまり見られない光景でもある。

「なんだろうな、雰囲気がそうさせたのかは分からないですけど。チームとして、そうやってやろうと決めてはいませんでしたが、そこは個人の判断だと思います」(高野遼)

 追加点を狙うよりも、この1点を守る。いつもとは異なる勝利へのアプローチだったかもしれないが、ある意味、"アジア仕様"の勝ち方と言えるかもしれない。結果的に勝利を掴んでいる以上、状況に応じた柔軟な対応ではあった。

 もっとも、軸は一切ブレていない。次節の上海上港戦、引き分けでもグループステージ突破が決まるが、アンジェ・ポステコグルー監督は「とにかく、自分たちのサッカーをすること」と強調する。自慢の攻撃力で相手をねじ伏せて決勝トーナメント進出を決めたい。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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