「こんなのおかしい…」「ディエゴは永遠」盟友が涙し、メッシも哀しむ。“英雄”マラドーナの死にアルゼンチンで衝撃

2020年11月26日 サッカーダイジェストWeb編集部

メキシコ・ワールドカップで共闘した盟友ルジェリは涙ながらに…

1986年にメキシコで世界王者となったアルゼンチン。そのチームを圧倒的なカリスマ性で牽引したのは、マラドーナだった。 (C) Getty Images

 突然すぎる訃報だった。現地時間11月25日、元アルゼンチン代表FWのディエゴ・マラドーナが、ブエノスアイレス郊外の自宅で心停止を起こし、この世を去った。

 少年時代からサッカーにのめり込み、15歳でプロデビューを飾った天才は、セリエAのナポリで一時代を築くなど大活躍。そして、自身2度目の出場となった1986年のメキシコ・ワールドカップでは、準々決勝のイングランド戦で「神の手」と「5人抜き」という2つの永遠に語り継がれるであろうゴールを決め、母国を世界王者へと導いた。

「私は多くの過ちを犯したが、一度たりともサッカーボールを汚したことはない」という言葉を残して1997年に現役を引退したマラドーナは、2008年にアルゼンチン代表監督をに就任し、指導者に本格転身。UAEのアル・ワスルやメキシコのドラドスなど3か国5チームでカリスマらしい手腕を振るった。

 コカイン使用などの薬物依存などダーティーな話題で世間を賑わせたこともあったマラドーナ。だが、多くのサッカーファンや同業者たちに夢と希望を与えた英雄の死は、世界に衝撃を与え、多くの同胞たちは哀悼の意を表している。

 アルゼンチン代表などで共にプレーしたオズワルド・アルディレスは、自身のツイッターで、「簡単に言ってしまえば、君はサッカーの歴史の中で最高の選手だった。共に多くの楽しい時を過ごした。どれが最高だったかは言葉にできない。安らかに親愛なる友へ」と綴り、1986年のメキシコW杯でチームメイトだったオスカル・ルジェリは、米スポーツ専門放送局『ESPN』の生放送番組で突然の訃報を知り、涙ながらにこう漏らした。
 
「私は最後に彼と一緒にいることも、話すことも、お互いに顔を見ることすらできなかった。こんなのダメだ。おかしい……。これは世界が止まる時だ。本当に悲しい。なんてひどい仕打ちだろう……。彼がこの国にしたことで涙を流さないアルゼンチン人はいないよ」

 さらにかつてマラドーナが背負ったアルゼンチン代表の10番を受け継いだリオネル・メッシも、自身のインスタグラムを更新。代表で師弟関係を築いた先達との別れに言葉を紡いだ。

「すべてのアルゼンチン人にとって、そしてサッカー界にとって、とても悲しき日だ。彼は亡くなったが、いなくなることはない。なぜなら、ディエゴは永遠だからだ。僕は彼と過ごした全ての美しい瞬間を彼の家族と全ての友人に捧げ、哀悼の意を表したい。どうか安らかに」

 ディエゴ・アルマンド・マラドーナ――。サッカー界に燦然と輝く功績を残した偉人の突然の死に、悲しみ声が尽きることはない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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