「クロップは最適解を見出す」南野拓実らに期待も!? 偉人ダルグリッシュが“野戦病院”と化したリバプールの現状を語る

2020年11月19日 サッカーダイジェストWeb編集部

クロップへの信頼は揺らがず

自身の名前がアンフィールドの一部スタンドの冠にもなっているダルグリッシュ(左)が、苦しい台所事情の古巣にエールを送った。 (C) Getty Images

 大一番を前にレッズが緊急事態に陥っている。

 現地時間11月22日に開催されるプレミアリーグ第9節で、リバプールは勝点1差で首位に立つレスター・シティを、無敗記録(63戦)を更新中の本拠地アンフィールドで迎え撃つ。

 鉄壁の要塞に難敵を迎え入れるディフェンディングチャンピオンだが、現況は決して芳しくない。というのも、フィルジル・ファン・ダイクやトレント・アレクサンダー=アーノルド、ジョー・ゴメス、ジョーダン・ヘンダーソンなど複数の主力が中長期の離脱を余儀なくされたうえ、現地時間11月13日には代表遠征中だったモハメド・サラーに新型コロナウイルスの陽性が判明した。

 検査を行なったエジプト・サッカー協会はサラーが「無症状である」としているものの、欧州での感染拡大の影響からレッズのエースは数週間の離脱が不可避だとみられている。

 チアゴ・アルカンタラが復帰する可能性が高いという"朗報"はあるにせよ、リバプールが攻守の軸をはじめレギュラー数人を欠いて状況で、レスター戦に臨むのは間違いない。それだけにユルゲン・クロップ監督の手腕に注目が集まっている。

 そうしたなかで「クロップには選択肢があるし、彼は必ず最適解を見出してくれるはずだ」とコメントしたのが、元リバプールのケニー・ダルグリッシュだ。
 
 70年代後半から80年代に築かれたリバプールの黄金期を知るレジェンドは、地元紙『Liverpool Echo』のインタビューで、クロップのチームが手駒の少ない窮地を脱せられると力強く明言した。

「マンチェスター・シティ戦がそうだったように、クロップは4トップのシステムで戦うこともあれば、3トップや2トップに変更する時もある。選手が全くいないわけではないし、そうした選択肢を作ったのはクロップの功績だよ。前にも言ったかもしれないが、彼はまるで水晶玉で見通して、正しい判断を決めているように見えるね。だから、この難しい局面でも良い決断を下せると確信している」

 ダルグリッシュの指摘する通り、クロップのチームに全く手駒がないわけではない。経験値では主力組に見劣りするものの、加入後すぐにフィットしたディオゴ・ジョッタをはじめ、南野拓実やジェルダン・シャキリといった実力者がおり、さらにはカーティス・ジョーンズ、ネコ・ウィリアムズ、リース・ジェームズといった下部組織上がりの活きの良い若手も揃っている。

 自身もリバプールを率いた実績を持つダルグリッシュは、愛するクラブへ"金言"も残している。

「私は不安なんてないよ。クロップが抱く信念をサポーターたちも信じているからね。重要なことは誰が変わりを務めようとも落ち着くことだ。そして、結果だけでなく、代役の選手がクラブと他の選手たちのためにした貢献の仕方を見てほしい」

 はたして、リバプールは限られた戦力の中でいかに"窮地"を乗り切るのか。クロップの手腕とともにチームパフォーマンスに注目したい。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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