「正直、またかという感じ」原口元気の脳裏によみがえった2年前のベルギー戦

2020年11月18日 サッカーダイジェスト編集部

「なんで毎回こうなるんだって」

12分の強烈なミドルも、敵の守護神オチョアに阻まれた。「僕らの流れの時に決定的な仕事をしたのが彼で、決定的な仕事ができなかったのが僕ら。その差は小さいようで大きい」。(C)Getty Images

「まさにフラッシュバックしましたね」

 原口元気の脳裏によみがえったのは、2018年のロシア・ワールドカップ、ベスト8進出をかけたベルギー戦だった。自らが挙げた先制ゴールも含めて2点を先行したが、後半に3点を奪われて逆転負け。今回のメキシコとの親善マッチも似たような展開で、ペースを掴んだ前半にいくつかの決定機を得たものの、チャンスをモノにできずにいると、流れが変わった後半に2失点して敗れた。

「こういう実力がある相手に対して、なんで毎回こうなるんだって。2年前のベルギー戦もそうでしたし、勝てたんじゃないかという感情がします。正直、またかという感じでしたね、僕からすると」

 いかに、したたかに戦うか。いかに修正力を示すか。その点で力の差を痛感した。

「自分たちが求めていることをやられたというか。前半、彼らは上手くいっていなかったので、僕らもいけるといった矢先、彼らはすごく良い修正をしてきたので、したたかだし、やはり強いチームだなと。逆に言えば、僕らが苦しい時間帯になった時に、そこから修正力を出せなかった。そこの差かなと思います」

 前半はトップ下の鎌田大地を起点に、効果的に攻めることができていた。だが、「特に後半は4番の選手(エドソン・アルバレス)を入れてきて、けっこうマンマーク気味にきて、僕らの起点になっていた選手が消されてしまった」。そこからリズムがさらに悪くなり、一瞬の隙を突かれて63分に失点。そこから「彼らは余裕をもってつなぎ始めて、そうなるともう、僕らの展開にもっていくのが難しくなった」と振り返る。さらに68分に2点目を奪われ、その後の反撃も実らず、0-2の完敗を喫した。

 自身のプレーにも背番号8は反省を口にする。

「僕のサイドに入っていたSBの選手が非常に落ち着いてビルドアップしてきて、そこにプレッシャーに行っていたんですけど、剥がされてしまうシーンがあって。なかなかプレッシャーに行けなくなったけど、そこをもっと勇気を持って、前半ぐらい、CBやSBに対してもっとプレッシャーをかけていくことが大事だったかなと思います。

 でも悪い時間帯なので、引いてもいいと思うんですけど、引くならやっぱり取られてはいけない。そこの判断は難しかったかなと」
 
 12分の決定的なミドルシュートを決められなかった悔しさも残る。敵陣ペナルティエリア付近で右足を思い切り振り抜いたが、これは相手GKの好守に阻まれた。そのほか、1トップの鈴木武蔵にもビッグチャンスが訪れたがネットを揺らせず。「そこは僕らのクオリティの部分」と指摘し、こう続ける。

「チームとして素晴らしい入りをして、良い形でチャンスを作れていた。最後のクオリティの部分で、特に前の選手が仕留めきれなかった。チームどうこうじゃないですね、僕ら前の選手のクオリティの部分ですね」

 チームとしても個人としても少なくない課題を突きつけられたゲームを、次にどう活かすか。世界の8強入りを目指すうえでも、この経験を無駄にはしたくない。

構成●サッカーダイジェスト編集部

【代表PHOTO】日本0-2メキシコ|メキシコに一瞬の隙を突かれ敗戦も…前半試合を支配するなど今後に向けて兆し!
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