ティティパン、丸岡満も出場したタイ代表強化試合だが…現地メディアの興味は西野タイランドよりJリーグ!?

2020年11月17日 佐々木裕介

西野朗監督率いるタイ代表が、タイリーグ・オールスターズとテストマッチ

タイ代表を率いる西野監督だが、コロナ禍の影響もありチーム強化にはひと苦労のようだ。(C) Getty Images

 各国代表チームが国際Aマッチウィークを精力的に活動するなか、"ウォー・エレファンツ"タイ代表も国内強化合宿を行なった。合宿の締めくくりには、国内リーグから選りすぐられた選手を集めた"タイリーグ・オールスターズ(以下、TLAS)"とのテストマッチが組まれた。

 タイ国内でも注目度の高いJリーガー4名(チャナティップ、カウィン、ティーラトン、ティーラシン)は先月同様、今回も招集されていないが、日本人にも馴染みある顔がスターティングメンバーにあった。

 タイ代表の1トップにはFWナッタウット(バンコク・ユナイテッド/元FC東京U-23)、ボランチにMFティティパン(BGパトゥム・ユナイテッド/元大分)が、TLASには今季からタイでプレーする丸岡満(BGパトゥム・ユナイテッド/元C大阪)が、タイリーグでプレーする日本人選手として唯一招集され、スタメン出場を果たした。またそれぞれのベンチからはFWシティチョーク(タイ代表選出=トラートFC/元鹿児島)、MFチャウワット(TLAS選出=BGパトゥム・ユナイテッド/元C大阪U-23)も出番を窺った。

 A代表初招集が多く若手主体のメンバーだったとは言え、国内リーグ2部チーム相手に行なわれたテストマッチで敗戦(0-1/ナコンパトム・ユナイテッド戦)を喫した10月の強化シリーズ。だからこそ、どんな事情があったとしても、この試合は勝敗にこだわってほしかった。しかし……。

 結果は2対2のドロー、タイ代表が得点すればTLASが都度追いつく展開となった。TLASは云わば急造チーム、当たり前だが連係は良くなく、外国人選手の個人能力のみで打開策を見出すしかないチームだったことを考えると、いかんせん残念な結果である。

「代表チームは常にどんな状況であっても勝利するということが義務付けられていること、それに関して追求しきれなかった結果は私の責任です。しかし選手はいろんな状況下でしっかりとチャレンジしてファイト出来たと思っていますし、やろうとしていることを結束してやれたということが一番の成果だと思っています」

「準備期間、活動期間がない中でインドネシア戦(ワールドカップ2次予選)を迎えなければならないですし、それまでにダメージを受けた選手たちをケアしなければいけない状況、またシーズン終わりにスズキカップ(今年末から来年4月へ延期された東南アジア選手権)があり、そこをしっかりと捉えたなかで、選手の選択肢がある先月今月と新しい人材発掘をする良い機会でしたが、選手がクラブでもっともっと成長していかないと組織が成長していかない。過密な中でも、代表というスタンダードを持って、クラブでの活動に活かしてほしいなと思っています」

 西野監督の試合後会見のコメントは上記の通り。来年3月に再開される22年カタール・ワールドカップ・アジア2次予選、また来年4月へ延期された東南アジア選手権(スズキカップ)へ向けたチーム作りに苦悩している状況にあるのだろう。歯切れが悪かった。
 

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