今季先制したらほぼ無敵のFC東京。札幌を永井の決勝弾で下す

2020年11月11日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

札幌戦の白星で先制した時の勝率は…

見事なドリブルから先制点を決めた永井。写真:サッカーダイジェスト

[J1リーグ33節]FC東京1-0札幌/11月11日/味の素スタジアム

 ACL前最後のホームゲームとなったFC東京は立ち上がりから積極的に仕掛ける。札幌のパスワークに翻ろうされるシーンもありながら決定機を与えず、永井やD・オリヴェイラが軸の攻撃で先制点を狙った。

 対する札幌はポジションに縛られない動きで多彩に攻撃を組み立ていく。縦横無尽にピッチを駆け回る荒野、テクニックに優れたチャナティップ、クロスが武器の福森を中心に敵陣に迫った。

 双方ともオフェンシブに戦う状況下で21分、先制したのはFC東京。安部のスルーパスに素早く反応した永井がそのままドリブルでエリア内に持ち込み、右足シュートでGKのニアサイドを抜いた。その3分後に迎えた大ピンチ(L・フェルナンデスのヘッドから宮澤がシュート)を凌ぐと、ホームチームが徐々に試合の主導権を握っていった。

 相手との接触で足を痛めたチャナティップが途中交代した影響もあり、札幌はなかなかチャンスを作れない。MFの高嶺らが積極的にボールを奪取するも、バイタルエリアから先のプレーに工夫を欠いた。

 前半を終えて、1-0。ホームのFC東京がリードしたまま試合を折り返した。
 
 後半最初にペースを掴んだのは、1点を追う札幌だった。50分にゴール前の混戦から最後は宮澤がヘディングシュートを放つと、その5分後にはA・ロペスがGKと1対1になりかけた。そして60分には福森がFKを直接蹴り込む。

 それでも、FC東京は崩れなかった。CBの森重、ボランチの安部あたりがポイント、ポイントで良い守備を見せてチームを勇気づけた。なにより、55分に気迫のシュートブロックで大ピンチを凌いだ安部の奮闘が光った。

 60分からしばらくは膠着状態。両チームが攻め合う展開が続いたが、より上手くゲームをコントロールしていたのはFC東京だ。守る時は人数をかけてピンチの芽を潰し、組み立ての局面では途中出場の髙萩が鋭いスルーパスで敵の守備網にプレッシャーをかける。そうした戦いぶりで札幌をシャットアウトし、リーグでの連敗を4でストップした。

 FC東京が先制した試合はこれで12勝1敗。勝率にすると、92.3パーセントと驚異的な数字に。リーグ戦、ACLで勝ち星を狙うにはやはり先制点が重要になる。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
 
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