「6か月で結果を出さないと…」絶好調の新鋭ジョッタが南野拓実らを抜き去った“ワケ”を元マンU戦士が説く!

2020年11月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

クロップは南野への信頼を強調も…

アタランタ戦ではハットトリックを決め、存在感を示したジョッタは、日増しに期待が高まっている。 (C) Getty Images

 今夏にレッズに加入した新鋭アタッカーが声価を高めている。ボーナス込みの移籍金4500万ポンド(約63億円)でウォルバーハンプトンからやってきたディオゴ・ジョッタだ。

 開幕当初こそ前線の基本的な布陣としてモハメド・サラー、サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノの「フロントスリー」を固定していたリバプールだったが、10試合で7ゴールと目に見える結果を残し続けているジョッタは、その牙城を崩そうとしている。

 とりわけ、去る10月3日に行なわれたチャンピオンズ・リーグ・グループステージ第3節のアタランタのパフォーマンスは圧巻だった。過密日程による蓄積疲労が指摘されたフィルミーノに代わって3トップの中央で先発起用された23歳のポルトガル代表FWは、マネとサラーと巧みな連係プレーを披露しつつ、ハットトリックをマーク。チームの大勝(5-0)に貢献した。

 加入間もない9月28日のプレミアリーグ第3節アーセナル戦で初得点を記録してから4試合連続で決勝ゴールをマークするなど、特筆すべき勝負強さと適応力を発揮しているジョッタ。今や、フィルミーノのレギュラーポジションを奪わんとする驚異のアタッカーの存在には、英紙『Mirorr』も「息をのむようなスタートダッシュで、序列ではタクミ・ミナミノやディボック・オリギを抜き去った」と絶賛している。

 往年の名手も太鼓判を押している。元イングランド代表DFのリオ・ファーディナンドは、自身が解説を務めている英スポーツ専門放送局『BT Sport』において、ジョッタの凄みを次のように分析した。

「ジョッタは昨シーズンのウォルバーハンプトンでも素早く、積極的なプレーを見せていた。だが、リバプールに来て、よりタイトな状況でトレーニングを積むことで自信が生まれたのかもしれない。ボールが変わったタイミングと角度で入り、それをワンタッチで捌く。そういうハイレベルな日々のなかで全てが速くなっているよ」
 
 左右中央に関係なく、ポジションをこなせるユーティリティーさに加え、指揮官のユルゲン・クロップが何よりも求める運動量と思考の速さを持つジョッタ。ファーディナンドが指摘する通り、リバプールに来て能力が洗練されたことを考えれば、序列が上がるのは必然と言えるかもしれない。

 また、メガクラブの競争の激しさを知るファーディナンドは、ジョッタの適応能力も讃えている。

「僕らがプレーしていた時代とは違う。現代の選手には、新しいチームに慣れるための猶予期間が6か月もあるのかどうか疑わしい。でも、そのなかで結果を出さないといけないんだ。6か月も経てば、新しい選手、つまりライバルが入ってくるからね。むしろ、チームの"ハードルを上げる"くらいのクオリティーを持っていなければならない」

 今年1月に鳴り物入りでリバプールに入った11か月目を迎えた南野に関してはクロップが「我々にはタキ(南野の愛称)もいる」と強調する一方で、技術面の問題を現地メディアに指摘されてもいる。プレミアリーグの覇権を争うチームでレギュラーを奪うことは容易ではないが、熾烈な争いのなかで、25歳のサムライ戦士はいかに成長していくだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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