ミランの「最強ストライカー番付」。ファン・バステン、シェフチェンコ、イブラらから番記者が選ぶ1位は?

2020年11月10日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

ファン・バステンは黄金時代のシンボル

インザーギ(左上)、ファン・バステン(右上)、シェフチェンコ(左下)、イブラヒモビッチ(右下)は、ミランの歴史に名を残す名ストライカーだ。写真:Alberto LINGRIA,Getty Images

【番記者選定のミラン最強ストライカー番付TOP10(1990年以降)】
1位:マルコ・ファン・バステン(元オランダ代表)
2位:アンドリー・シェフチェンコ(元ウクライナ代表)
3位:デヤン・サビチェビッチ(元ユーゴスラビア代表)
4位:ジョージ・ウェア(元リベリア代表)
5位:ズラタン・イブラヒモビッチ(元スウェーデン代表)
6位:カカ(元ブラジル代表)
7位:フィリッポ・インザーギ(元イタリア代表)
8位:ルート・フリット(元オランダ代表)
9位:ダニエレ・マッサーロ(元イタリア代表)
10位:ロナウジーニョ(元ブラジル代表)

 この30年のミランは、偉大なストライカーを実に多く擁してきた。トップ10から怪物ロナウドやR・バッジョ、ビアホフ、パパンらを外したのは、ロッソネーロでの活躍期間が短かったから。同じ話はロナウジーニョにも当てはまるものの、少なくないスペクタクルなゴールを決めたゆえ、10位に滑り込ませた。

 そのブラジル産ファンタジスタを含めて、トップ10でバロンドール受賞者は実に6人。中でも1位は、最も完成度が高く最もテクニカルなCFだったファン・バステンだ。80年代後半から90年代前半における黄金時代のシンボルであり、クラブ史にとっての重要性はどんなストライカーよりも大きい。

 その「聖なるマルコ」を含めてトップ5はいずれも圧倒的なクオリティーを備えた、サッカー史上に残る偉大なアタッカーだ。タレントには甲乙つけがたいものがあるものの、今回はもたらした勝利、そしてとりわけサポーターからの愛情に基づいて順位を決めた。シェフチェンコ、サビチェビッチ、ウェア、そして現在における希望の源であるイブラヒモビッチは、それぞれの輝かしい時代を象徴する絶対的な存在だ。
 
 カカはトップ下/セカンドトップとして、鋭いドリブル突破からのフィニッシュで大き
な違いに。「ゴールに愛された男」であるインザーギ、そしてシェフチェンコとともに、アンチェロッティに率いられた2000年代の黄金期に攻撃陣を牽引した。

 8位のフリットは、ファン・バステンと同じ時代に輝いた往年の名手。テクニックとフィジカルが融合しており、仕掛けからフィニッシュで圧倒的な存在感を放ったものだ。

 9位のマッサーロはMF出身で、ゆえに組織的なメカニズムの中で機能し、勝利にとって実質的な貢献を果たす術を備えた稀有なストライカーだった。

 クオリティーだけを見れば上回る選手たちを差し置いて、トップ10に名を連ねた最大の理由もそこにある。ミランにとって史上最もシンボリックな勝利、すなわちクライフ率いるドリームチーム時代のバルサを4-0で粉砕した94年CL決勝では2ゴール。歴史に名を刻んでいる。

 2010年代のパット、バロテッリ、ロビーニョ、エル・シャーラウィ、カッサーノらは、一流のタレントを武器に重要なゴールを何度か決めた。ただ、浮き沈みが激しく、いわゆるレジェンドにはなりきれなかった。

文●エンリコ・クロー(ラ・レプブリカ紙)
翻訳●片野道郎
※『ワールドサッカーダイジェスト』2020年11月5日号から転載

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