横浜FC・下平と大分・片野坂。71年生まれ、元チームメイトの両監督が披露した戦術勝負

2020年11月04日 渡邊裕樹(サッカーダイジェストWeb編集部)

柏レイソル時代に4年間ともにプレー

大分で5年目の片野坂監督(左)と昨季途中から横浜FCを指揮する下平監督(右)。(C)SOCCER DIGEST

[J1リーグ26節]横浜FC2-3大分/11月3日(火)/ニッパツ

 2試合連続で無得点だった両チームの対戦は、撃ち合いに発展した。ホームの横浜FCが2点を先行するが、前半のうちに1点を返した大分が、終盤に2点を挙げ逆転勝利を収めた。

【動画】両監督の采配にも注目!横浜FC対大分戦のハイライト

 ボールポゼッション主体の試合運びに特長を持つ両チームは、他にも共通点がある。横浜FCの下平隆宏監督と大分の片野坂知宏監督は1971年生まれの同期。1995年から99年までは柏レイソルでチームメイトでもあった。

 横浜FCの下平監督は試合後に「前半と後半でゲームが大きく変わるような内容でした。まず前半はわれわれのゲームで素晴らしい内容だったと思います」と振り返る。

 その言葉通り、最初に主導権を握ったのはホームチームだった。「大分対策といいますか、前節の湘南と今節と3バックを採用するチームとの連戦だったので」というように、中盤の手塚康平をアンカー気味に配し、瀬沼優司をワントップに置くやや変則的な4-1-4-1に近いシステムで挑んだ。

 押し込む展開から29分にFKから田代真一が先制すると、32分には齋藤功佑が追加点を挙げる理想的な展開でリードを奪った。
 
 これに対して大分の片野坂知宏監督は、「ああいう戦術で来るというのは、前節の湘南戦でもやっていたと思うが、われわれに対してはどういうふうに来るかというところで少し構えている部分があった」と反省。

 ほとんど攻撃の形を作れていなかった大分だが、前半の飲水タイム明けから両サイドを起点にアーリークロスを送り込む回数が増える。続けて3回左からのCKを得ると44分に島川俊郎がネットを揺らし1点を返した。

「我々もそれに対応するような形で選手に飲水タイムやハーフタイムに伝えて修正し、なんとか盛り返すことができた。前半に0-2になったが、前半終了間際のセットプレーからの1点が非常に大きかった。後半に向けて1点差で戦えるということで、選手も集中して最後まで戦えたのかなと」と手応えを滲ませる。

 これで息を吹き返した大分はハーフタイムに髙澤優也をシャドーに投入し、田中達也を左ウイングバックにスライド。後半からマンツーマンで前線からボールを掴みに出るとさらに攻勢を強めた。
 

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