次戦に敗れれば、G大阪は早々にグループステージ敗退の可能性も。
今野は依然として不在のままだが、しばらくベンチスタートが続いた阿部が右の攻撃的MFで先発。1ゴールと結果を残した。
3冠王者が勝てない。ブリーラムに1-1で引き分け、ACL3戦でいまだ未勝利(2敗1分)。これで今季公式戦では、一発勝負のスーパーカップに勝利した以外、5戦勝ちなし(3敗2分)だ。
GK東口順昭は「(試合内容が)悪いわけじゃない。それでも負けたり、引き分けたりしている。それを真摯に受け止めて改善していかないと、これからも厳しくなる」と厳しい表情でチームの現状を捉えている。
長谷川健太監督の言葉も、苦しさがにじみ出た。
「セットプレーで危ない場面があったが、それ以外はしっかりとゲームコントロールでき、先制もできた。ただ後半は連戦の疲れか、アジアの戦いの(ボディ)コンタクトで消耗したのか、若干ミスが多くなった。自分たちでゲームの流れを難しくしている部分はあった。もったいない試合だった」
試合はグループステージ首位に立つブリラムが、アウェーとあってか守備気味に入った影響もあり、前半はG大阪が押し気味に試合を進めた。宇佐美貴史、パトリックの2トップに絡み、中盤に入った阿部浩之が何度もゴール前に進出し、相手ゴールを脅かした。そして39分、右サイドで抜け出したパトリックの折り返しを宇佐美がシュート。それがポストに当たってこぼれたところを、阿部が詰めてG大阪が先制した。
しかし62分、ゴール前左でFKを与えると、これをブンマタンに決められて試合は振り出しに戻った。「FKはキッカーとGKの勝負。それに自分が負けた」と東口は唇をかんだが、スカウティングの段階でブンマタンのFKには注意が喚起されていた。不用意に与えたファウルが、手痛い失点につながったとも言える。
それ以上に指揮官が問題視したのは、2トップの不発だ。「2トップに点がないところが、チームとして乗っていけない原因。FWの奮起を期待したい」と厳しい言葉を並べた。チャンスには絡んでいるが、シュート5本を放って無得点の宇佐美は、チームの問題点を「決定力だと思います」と吐き捨てた。
これで次戦に敗れれば、早々にグループステージ敗退が決まる可能性がある。やはりG大阪が真価を発揮するのは、昨季揃ってJリーグのベストイレブンにも輝いた強力2トップが機能した時だ。
アジアの舞台でふたりが結果を残せないとなると、目標に掲げたアジア制覇は夢物語に終わる。
■試合の結果
ACL3節 グループF
G大阪 1‐1 ブリーラム
得点者
G =阿部(39分)
ブ=ブンマタン(62分)