韓国代表の元エースは、なぜアーセナルで失敗したのか? 9番に“1試合”しか与えなかった恩師ヴェンゲルが告白「才能に疑問を…」

2020年10月31日 サッカーダイジェストWeb編集部

リールから強奪する形で獲得

アーセナルでは公式戦7試合で1ゴールに終わったパク・チュヨン。(C)Getty Images

 韓国代表のエースと言えば、言わずもがなトッテナムのソン・フンミンだ。今シーズンもプレミアリーグで得点ランクトップの8ゴールを叩き出すなど絶好調。現在の「アジア最高の選手」と呼んでも異論はないだろう。

 そのトッテナムのライバルであるアーセナルでプレーした韓国人選手もいる。当時、代表でもエース格だったパク・チュヨンだ。

 モナコでの3シーズンでリーグ戦25ゴールを挙げて声価を高めたストライカーは、2011年の夏、同じリーグ・アンのリールへの移籍が目前だったものの、突如として翻意。アーセナルへの入団を果たしたのだった。

 しかし、9番を与えられるなど期待された1年目は、プレミアリーグではわずか1試合の出場のみ。翌シーズンはセルタ、14年1月にはワトフォードにレンタルに出され、結局ガナーズでは公式戦7試合で1得点という散々な結果に終わった。

 リールから"強奪"までしながら、なぜチャンスを与えなかったのか? 当時の指揮官アーセン・ヴェンゲルが自伝『My Life in Red and White』のなかで明かした内容を、英メディア『football London』が伝えている。

【動画】パク・チュヨンがアーセナルで決めた唯一のゴールはこちら
「パク・チュヨンはモナコで素晴らしいシーズンを送っていて、とても良い振る舞いを見せていたた。だから獲得した」と、引き抜いた理由を明かした名将は、こう続けている。

「彼がアーセナルで能力を完全に表現できたとは思わない。私は、彼の才能に疑問を持っていなかった。間違いなく、彼は少し自信が足りなかったんだ」

 そして、若干の自責の念も込めてこう吐露している。

「彼はすべてを変えるような試合、自分自身に『ここでプレーするのに相応しい』と思せるような試合を見つけられなかった。おそらく、私は彼に自分自身を証明するのに十分な機会を与えなかったのだろう」

 さしもの名伯楽もそのポテンシャルを引き出せなかったパク・チュヨン。15年に古巣のFCソウルに戻り、35歳となった現在でも存在感を発揮している。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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