浦和がようやくプライドを取り戻しつつある…上昇気流に乗るチームに起きた「大きな変化」とは

2020年10月25日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

「”そういったところ”が前に進む推進力を引き出してくれている要因」

C大阪戦で活躍した山中。「点を取れるようになったのが一番、選手の自信につながっている」という。(C)SOCCER DIGEST

[J1第24節]浦和3-1C大阪/10月24日/埼玉スタジアム2002

 浦和レッズがようやくプライドを取り戻しつつある。

 23節のベガルタ仙台戦で6-0と大勝すると、勢いそのままに翌節にはセレッソ大阪を3-1で破り、ホーム2連勝を飾ってみせた。2位のC大阪との一戦は、先制されながらも、すぐさま逆転し、後半に相手の反撃を受け流しながら追加点を奪うという試合巧者ぶりが光った。

 一時はホームで勝てない時期が続き、ファン・サポーターからの大きな不信感を買っていた。13節の大分トリニータ戦(2-1)を最後に白星から遠ざかり、その後、20節の名古屋グランパス戦まではゴールさえも奪えず敗戦が続いていたのだ。

 そんな苦しい時期を乗り越えたチームに見られた大きな変化が、最後まで崩れない攻めの姿勢だ。

 C大阪戦で殊勲の勝ち越しゴール(チームの2点目)を奪った山中は言う。

「『点を取っても変わらずに(攻めに出よう)』ということは常にみんなで話しています。点を取った後のカウンターは終盤も非常に出ているし、走れていると思います。そういった基本的な縦に走る、スプリントすることはこれからも続けてやっていければいいなと思います」
 
 今季目指しているのは「攻守において主体的なサッカー」(大槻毅監督)であるが、ホームで勝てなかった時期、またそれ以前は押し込まれる時間帯が長く、「主体的」とは到底言えなかった。たとえ勝利した試合であっても、終盤には完全に自陣にこもる格好になり、必死に相手の攻撃を受け止める、いわばサンドバック状態となりがちだった。

 ところがC大阪戦では1点のリードを奪って試合を折り返しても、後半は3点目を取りに行き、3点目を奪っても、さらにダメ押しのゴールを狙いに行った。

「(これまでは)なかなか結果が出ずに、現実的にしっかり守備をして、ということが大きかった」という山中だが、続けて言う。

「でも、こうやって点を取れるようになったのが一番、選手の自信につながっていますし、そういったところが前に進む推進力を引き出してくれている要因だと思います」

 改めてサッカーにおいて精神面の影響の大きさを感じさせる。仙台戦の大勝をきっかけに自信を取り戻したチームには、積極性が生まれている。ついに上昇気流に乗り始めた。

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)

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