「決定的だった」酒井宏樹が仏有名紙のベスト11に選出! ホーム初勝利をもたらす2点に絡む活躍を高評価【現地発】

2020年10月20日 結城麻里

「敵陣で88.9%のパス成功率」

相棒トバンのゴラッソをアシストした酒井。守備でも存在感を示した。 (C)Getty Images

 オランピック・ド・マルセイユ所属の日本代表DF酒井宏樹が19日、厳しい採点で有名な全国紙『L’EQUIPE』で、キリアン・エムバペ(パリ・サンジェルマン)、メンフィス・デバイ(リヨン)らとともに同紙が選出するリーグ・アン第7節のベスト11入りを果たした。

 マルセイユは今シーズン、守備はソリッドだが攻撃を組み立てられず苦戦。とくに肝心のホームスタジアム「ヴェロドローム」でなかなか勝利できなかった。だがついに17日、ボルドーを迎え撃ち、ホーム初勝利をゲット(3-1)。その最初のきっかけを作ったのが酒井だった。

 43歳の誕生日を迎えたアンドレ・ヴィラス=ボアス監督はこの日、「ちょっとした革命に出た」(『L’EQUIPE』)。システムを大胆な4-4-2のダイヤモンド型に変更し、トップ下(ダイヤモンドの頂点)には新加入のミカエル・キュイザンスを司令塔として先発起用。さらには18歳の新加入ルイス・エンリケまで途中から投入したのである。

 監督の誕生日を祝いたかったのか、選手たちも見事に応えた。特に、右SBの酒井と左SBのジョルダン・アマビはすさまじかった。

 まるで何かから解放されたように攻め上がり、まず開始早々の5分に酒井が、センター寄りにいた相棒フロリアン・トバンの足下にピタリとパス。これをトバンが「スペシャル・トバン」と呼ばれる手法(針で縫うようにボールを内側に運んで左足を振り抜く)で見事に突き刺した。酒井はその後も果敢に攻撃を組み立て、トバンとのワンツーや、もう少しでゴールというシーンまで飛び出した。

 そんな酒井に刺激されたのか、アマビも全開となり、猛烈に攻撃参加。54分にはトバンのFKをヘッドで決め、64分にもエリアに突入して蹴り、ボルドーのオウンゴールをゲットした。

 この3ゴール目の起点も実は酒井で、『L’EQUIPE』は「右サイドのサカイによって美しい攻撃アクションがスタートさせられた」と綴った。要するに3得点全てに両サイドバックが絡んだ格好で、「両サイドバックが決定的だった」(同紙)と称賛された。

 これを受けて『L’EQUIPE』は、毎週月曜日発表のベストイレブンに酒井(採点7)、アマビ(同)、トバン(同)と3人のマルセイエ(マルセイユ人)を選出。酒井には、「1アシスト、6ボール奪取、敵陣で88.9%のパス成功率」の寸評をつけた。

次ページ21日からは酒井にとって初となるCLがスタート

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