【明神智和】日本代表CBの吉田&冨安は何が凄かったのか?2試合フル出場の中山雄太を“育成目線”で読み解くと…

2020年10月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

CBのお手本となるプレーだったと思います

個の部分でも相手を抑えていたCBの吉田(左)と冨安(右)。写真:龍フェルケル

 まずは久しぶりの活動ということもありワクワクや楽しみがあって、日本代表の試合を観戦できて良かったな、というのが素直な感想です。

 久しぶりの試合でかなり難しい部分もあったと思いますが、想像以上に良い試合だった。カメルーン、コートジボワールとの対戦を終えて1勝1分の無失点。非常に日本の良さが出たんじゃないかな。特に守備面で良い場面、プレーが見られました。

 メンバーが変わったり、久々だったのもあり、高い位置から良い形でボールを奪うというのは少なかったですけど、その反面ディフェンスラインで、吉田麻也選手、冨安健洋選手を中心に、今まで日本の課題といわれていたCBのところの個の部分、フィジカルの差というか、そういうものを全く感じさせなかった。逆にその個のところで抑えてしまうという凄さがありました。

 カメルーン戦では一本、ヘディングで狙われる危ない場面がありましたけど、それ以外ほとんど触られることすらなかったと思います。CBふたりのポジショニング、予測、入ってきたボールに対してステップを踏みながらのヘディングの技術。それは本当に非常に高かったですし、CBのお手本となるプレーだったと思います。

 冨安選手はインターセプトできる場面では必ずしますし、裏へのケアも予測したうえで対応してマイボールにしていました。

 吉田選手に関しては、相手のロングボールに対してもそれをことごとく、クリアするだけじゃなく味方に繋いでいました。それは相手からしたら、弾いたセカンドボールを拾うなり、前向きに守備をしたいのに、吉田選手のところで、味方に繋げることができる。あの技術というのは本当に素晴らしかったです。
 
 私自身が、今U-13を指導しているのですが、そういう立場でみると一人ひとりの技術と個人戦術というところにすごく目がいくようになりました。

 SBもとても良かったと思います。酒井宏樹選手や、室屋成選手など1対1で後手に回ることが無かった。そのため、サポートにボランチだったり、CBの片方が引っ張られるという事があまり無く、サイドの1対1が優位に進められていた分、中のマークもしっかりとできていた。崩されることが少なく、そこが無失点に繋がった要因ではないでしょうか。

 ゴールを守るという守備に関しては問題なかったですが、奪ってからさらに点を取りに行くということを考えた時に、できればディフェンスラインでボールを奪うのではなく、中盤のラインや、相手のミスを誘って相手陣内で奪いたい。その意欲はあったと思います。ただし、前からプレスをかけてというのはたくさん見られましたけど、この2試合は前線の顔ぶれも変わっていますので、2、3人といったグループでの意思疎通というのは、少し難しかったのかなと。それが可能になったら得点も増えてくるはずです。
 

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