【日本代表|戦力分析 ボランチ編】柴崎&ワタルのコンビはヤット&長谷部超えの布石を打てるか?

2020年10月08日 元川悦子

攻撃への関与にも意欲を見せる遠藤。これまでとは違った関係性も見られるか

ロシアで主軸を担った柴崎とドイツで進化を遂げる遠藤。欧州遠征ではこの二人がボランチの軸となるか。写真:サッカーダイジェスト

 約1年ぶりの日本代表活動となるアフリカ勢との2連戦(9日=カメルーン・13日=コートジボワール)で注目されるポジションのひとつがボランチだ。

【布陣図】森保ジャパン欧州遠征の予想布陣と序列

 ご存知の通り、2018年ロシア・ワールドカップ(W杯)を最後に長谷部誠(フランクフルト)が引退。同大会でコンビを組んだ柴崎岳(レガネス)が森保一監督から絶対的信頼を寄せられる状況が2019年末まで続いていた。が、彼が昨季プレーしたデポルティボ・ラコルーニャの3部降格が決定。今季から同じスペイン2部・レガネスに新天地を見出したものの、9月20日のルーゴ戦でのケガが響いたのか、先発と控えを行き来している状況だ。

「2部リーグに所属していることをどう見るかは人の自由だと思いますが、僕自身はプラスに捉えて自己研鑽を積んでいます」と本人はネガティブな視線を一蹴。「去年1年はボランチで出場することが多かったし、中盤のゾーンを幅広くカバーできるタイプになってきているかなと。僕自身ももともとフレキシブルに対応できる選手になりたいと思っていた。それを代表でも反映させたい」と語る通り、この1年の進化を改めて代表の場で示すつもりだ。

 その柴崎がボランチの軸を担い、遠藤航(シュツットガルト)と橋本拳人(ロストフ)が激しい相棒争いを繰り広げるというのが当初の見通しだった。しかし、新型コロナウイルスの移動制限で橋本が招集見送りとなり、遠藤の存在価値がより一層大きくなったのは間違いない。

「東京五輪世代のボランチの板倉(滉=フローニンヘン)選手や中山(雄太=ズウォーレ)選手はボランチなのかセンターバック(CB)なのかっていう悩みを抱いている。それは僕もリオデジャネイロ五輪の時にすごく感じたこと」と遠藤自身も残る2人の若手ボランチ候補が置かれた立場の難しさを口にしていたが、やはり本職で試合に出続けているのは大きな強み。それがブンデスリーガ1部ならなおさらだ。シュツットガルトの今季初リーグ勝利となった9月26日のマインツ戦でも守備面での貢献度の高さはもちろんのこと、2点をお膳立てするなど攻撃面で異彩を放っている。

「僕は守備的な選手というイメージがあるかもしれないですけど、攻撃の部分でも関わっていけるようにしたい」と本人も意欲満々でいるだけに、今回は遠藤がリードして、柴崎がサポートに回るというこれまでとは違った関係性が見られるかもしれない。
 

次ページ今回実力を試されるのが板倉と中山。コパ・アメリカではともに柴崎とコンビを組む

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