このまま消えてしまうのか? ヴェンゲルが認めた“ガラスの天才”がついに無所属に「僕はまだまだ出来ると…」

2020年10月08日 サッカーダイジェストWeb編集部

ウェストハムでの2シーズンで結果を残せず

目利きのヴェンゲル(右)が、才能を高く評価していたウィルシェアが岐路に立たされている。 (C) Getty Images

 かつて"イングランドの未来"と評された男が、崖っぷちに立たされている。現地時間10月5日にウェストハムが契約解除を発表した、元イングランド代表MFのジャック・ウィルシェアだ。

 現在28歳のウィルシェアは、16歳にして名門アーセナルでトップチームデビューを飾り、10番も背負った天才である。ガナーズを22年間に渡って指揮し、その間に多くの名手たちを手塩にかけてきた名伯楽アーセン・ヴェンゲルも「衝突することはあったが、彼は間違いなく優れた10番だ」とその実力を認めていた。

 その天賦の才には、誰もが期待を寄せたが、度重なる怪我がキャリアアップを阻んだ。2018年の夏に心機一転を図って、長年プレーしたアーセナルからウェストハムへ移籍したが、ここでも左足首の骨折や筋肉系のトラブルなどに悩まされ、過去2年間で公式戦19試合の出場にとどまった。

 10代で放った眩い輝きが凄まじかっただけに、現在の凋落ぶりを嘆くメディアは少なくない。今回の契約解除を受け、英メディア『talkSPORT』は、「未完の大器は化けることなく終わるかもしれない」と綴った。

「2018年にアーセナルから加わったウィルシェアだが、イーストロンドンでの彼は厳しい状況にあった。怪我の問題に悩まされ、十分に証明する時間を得られなかった」
 
 周囲がキャリアの終焉を予見する一方で、当の本人はやる気に満ちている。ウェストハムとの契約解消後、自身のツイッターで「最善の努力と高い意識であらゆることに取り組んだが、残念ながらうまくいかなかった」と振り返りつつ、次のように続けた。

「僕は長い間、コンディション的には何も問題がなかった。ただプレー時間だけが貰えなかったんだ。もちろん数少ないチャンスで十分なプレーができなかった自分に不満が残るけど、僕はまだまだトップゲームに貢献できると確信している。

 僕自身は信じられないほどに飢えているし、野心的であり、サッカーで成功したいと切望してる。まだ28歳なんだ。身体は何の問題もないし、強くプレーすることもできると感じている」

 周囲の反応とは裏腹に、再起への自信を漲らせているウィルシェア。新天地に関しては、元イングランド代表MFスティーブン・ジェラードが率いるスコットランドの古豪レンジャーズからの強い関心が報じられている。

 本人の言う通り、まだ28歳。しぼむには早すぎる。ここからの挽回に期待したい。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 

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