【日本代表|戦力分析 DF編】長友佑都不在の今、30代主体の最終ラインから脱皮できるか?

2020年10月07日 元川悦子

長友の後継者問題に光明を見出せるか

アフリカ勢との2連戦に挑む日本代表。果たしていかなるパフォーマンスを見せてくれるのか。写真:サッカーダイジェスト

 新型コロナウイルスの影響で約1年の空白期間を経て、再始動した森保ジャパン。キャプテン・吉田麻也(サウサンプトン)も「全体的なベースを上げ、厳しい試合で勝ちをもぎ取れるチームにならないといけない。この2試合の相手(カメルーン&コートジボワール)はホントに強豪なんで、僕らにとって非常にプラスになる」と発言。貴重な機会を最大限生かしていく考えだ。

■GK――3名ともに決め手を欠くも手堅く権田からのスタートか

 こうした中、まず守備陣は既存勢力がベースになるだろう。GKは2019年に行なわれた2022年カタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選前半戦4試合に先発した権田修一(ポルティモネンセ)が軸と見られる。とはいえ、その彼も新シーズン開幕後は出番なし。森保一監督就任後、存在感を高めていたシュミット・ダニエル(シントトロイデン)もケガ上がりが響いて控えのままだ。37歳のベテラン・川島永嗣(ストラスブール)だけが今季に入って開幕2戦に出場したものの、その後はベンチを温めている。直近の試合勘を重視するなら川島だが、手堅い指揮官はまず権田からスタートする可能性が高い。31歳になったポルトガル3年目の守護神の現状が大いに気になるところだ。

■左サイドバック――長友の招集辞退で安西にチャンス

 最終ラインは酒井宏樹(マルセイユ)、冨安健洋(ボローニャ)、吉田、長友佑都(マルセイユ)の4枚が鉄板だが、合宿入りを前に絶対的左サイドバック(SB)の長友が体調不良で招集を辞退。安西幸輝(ポルティモネンセ)にチャンスが回ってきそうだ。

 安西は2次予選突入後、2019年10月のモンゴル戦後半途中の67分からピッチに立っただけ。だが、昨季ポルトガル1部では23試合出場・1得点と着実に結果を残していて、直近のスポルティング戦もフル出場し、調子は上向きと見ていい。「34歳・長友の後継者問題」は前々からの懸念事項だが、彼の攻守両面のクオリティの前に誰も太刀打ちできない状況が続いていた。今回は安西が風穴を開ける好機。数少ないチャンスを掴むべく、持てる力の全てを出し切ってもらいたい。
 

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