「もう若くない」多士済々のオランダで研鑽を積む板倉滉が抱く“野望”「ステップアップを考えた時に…」【独占】

2020年10月04日 羽澄凜太郎(サッカーダイジェストWeb)

今シーズンに磨きをかけているプレーとは?

フローニンヘンで3年目のシーズンを送る板倉が自身の抱く“野心”を語った。 (C) Getty Images

「日本にいる時よりも、かなり緊張感があるなかでやれていると思います」

 オンラインでのインタビューで、フローニンヘンの日本代表DF板倉滉はそう語った。

 2019年の1月にマンチェスター・シティと電撃契約を結んで話題を呼んだ23歳は、直後にオランダのフローニンヘンにレンタル移籍。入団2年目となった昨シーズンにスタメンの座を勝ち取り、迎えた3年目の今シーズンは、CBとして開幕から3試合連続フル出場と完全なレギュラーとして君臨している。

 チームは1勝2敗と負け越しているものの、安定感が増している板倉は、「最低限のノルマである試合に出続けることはできている」と手応えを口にする。

「もちろん結果が付いてきてくれたら一番ですけど、自分の中での目標はやりきれている。3年目なので、『自分が中心にならないといけない』と思っているし、周りの仲間にもチームのやりたいことを意識的にコーチングしている」

 エールディビジは、各国代表に名を連ねる高いポテンシャルを持ったアタッカーがひしめくリーグだ。そのなかで、板倉がとくに磨きをかけているのが、1対1の局面での強さである。

 その凄みは、数字にも表われている。各国リーグのスタッツを公開しているサッカー専門のデータサイト『Who Scored』によれば、板倉のデュエル勝率は92パーセントとハイアベレージを記録。さらに同メディアが独自につける平均レーティングでも6.85点と及第点以上だ。
 
 1対1を磨くようになった理由を、板倉はこう説明する。

「フローニンヘンの選手であるとはいえ、何よりも自分がよりステップアップしていくことを考えた時に、やっぱり個の部分では負けられない。それは地上戦でも、空中戦でも、全てで負けられない」

 より上を目指すために日々スキルアップしている23歳は、「もう若くはない。次は僕らの世代が代表を背負っていかないといけない。だから試合に出ないとダメだなと思う」と危機感を募らせつつ、この先の"野望"を明かしてくれた。

「何よりも代表でスタメンに定着したい。そのためにはフローニンヘンでも出続けて、目の前の一戦、日々の練習で真剣に取り組まないといけないと思います。だからどんどんとステップアップするためにも、目の前の試合で結果を出すことが一番の近道になると考えてます。今はとにかく自分で自分にプレッシャーをかけながらやってます」

 板倉は、自身がプレーするオランダで行なわれるカメルーン戦(10月9日)とコートジボワール戦(同13日)に向けた"欧州組限定"の日本代表に選出された。まずはA代表定着に向けて、格好のアピールの場となるはずだ。

「エールディビジはあまり見られないんで、『今に見とけよ』じゃないですけど、もっと皆さんに注目されるように頑張りたい」

 そう語る板倉の表情からは、充実感と自信が伝わってきた。

取材・文●羽澄凜太郎(サッカーダイジェストWeb編集部)
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