CL敗退の夜に代理人に――。「生涯アトレティコ宣言」もした“流浪のストライカー”のユーベ復帰の舞台裏

2020年10月01日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

シメオネ監督も呆れ果て…

「生涯アトレティコ」を誓ったばかりだったが……。(C)Getty Images

 宿敵レアル・マドリーの下部組織出身という因縁も重なり、2019年1月の加入時に話題を呼んだアルバロ・モラタのアトレティコ・マドリーでの挑戦は、ひとまず1年半で終わりを告げた。

 今回のユベントスへのレンタル移籍には、1年間のレンタル延長と買い取りオプションが付いている。23年6月までの契約となっているアトレティコに復帰する可能性は、おそらく低いだろう。

 ストライカーとしての実力を評価されながらも、モラタはデビュー以来、クラブを転々としてきた。14年夏にマドリーからユベントスに移籍したのを皮切りに、その2年後にはマドリーに買い戻され、17年に完全移籍したチェルシーからのレンタルでアトレティコに加入。そして今夏、ふたたびユベントスに渡った。

 ここまでの移籍金の総額は、1億8900万ユーロ(約236億2500万円)にも達する事態になっている。
 
 スペインで指摘されているのが、モラタの変わり身の早さだ。新たなクラブに加入、あるいは復帰するたびに、「夢が叶った」「とてもハッピーだ」と体のいいことを口にし、19年1月にアトレティコに入団した際には、生涯アトレティコ宣言までしていた。

 しかし、スペインの『エル・パイス』紙によると、昨シーズンのチャンピオンズ・リーグ準々決勝のライプツィヒ戦でスタメンから外され、チームが敗退したその夜には、代理人に電話を入れて移籍の希望を伝えていたという。

 アトレティコが今夏、チェルシーから保有権を獲得するために6500万ユーロの大金を支払った努力など忘れてしまったかのような態度には、監督のディエゴ・シメオネも呆れ果て、ルイス・スアレス獲得の可能性が浮上した時点で、迷わず放出を決めたようだ。

 今回のユベントスでの入団会見でも、「復帰は夢だった」と語っていたモラタ。流浪のストライカーは、今度こそ居を定めることができるのだろうか。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部
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