【U-22】“3.11”ミャンマー戦を前に、震災当時に想いを巡らす手倉森監督が目指す内容とは?

2015年03月10日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「引いた相手を破って点を取れるサッカーを披露したい」

3月11日にフクダ電子アリーナでU-22ミャンマー代表と対戦するU-22日本代表。植田や大島、浅野などJ1開幕戦でスタメン出場を果たした若手たちが顔を揃える。(C) Getty Images

 2016年のリオデジャネイロ五輪を目指すU-22日本代表は3月11日、同23日に開幕するアジア1次予選(U-23アジア選手権予選@マレーシア)に向けてU-22ミャンマー代表との壮行試合に臨む。2014年1月にスタートしたこのチームにとって、"国内初お披露目"となるゲームだ。
 
 会場は、千葉のフクダ電子アリーナ(キックオフは19:10)だが、手倉森誠監督は「千葉で試合をやるのは僕にとってもすごく縁がある」と話す。かつて手倉森監督が仙台を率いていた2011年、東日本大震災で活動が困難になった仙台は、市原市から施設の無償提供という厚意を受けたお陰でリーグ再開に向けた練習ができ、「その後の躍進につなげることができた」(手倉森監督)。
 
 ミャンマー戦を控えた3月9日、手倉森監督は市原市の佐久間隆義市長を表敬訪問し、改めて感謝の言葉を伝えている。
 
"3・11"に思い出深い地での試合。指揮官が燃えないわけがない。チームとしても、予選突破に弾みをつけるような勝利を挙げられるか。
 
 手倉森監督は今回のミャンマー戦とアジア1次予選のメンバー発表の席上で、「引いた相手を破って点が取れるサッカーを披露したい」とコメント。決定力不足は「日本の課題」と真摯に受け止めているが、ミャンマー戦はいかにゴールをこじ開けるかがポイントのひとつとなる。
 
 先月、8-1の完勝を収めた敵地でのU-23シンガポール代表戦では、「攻撃に関しては、みんなが同じ絵を描いて仕掛けられるようになってきた」(手倉森監督)。ゴールに対する意識や意欲が高まるようなトレーニングも重点的にこなしてきているだけに、再びゴールラッシュを期待したい。
 
 久保裕也(ヤングボーイズ)、南野拓実(ザルツブルグ)の欧州組はマレーシアでの1次予選スタートからの合流となるが、背番号10を背負う中島翔哉(FC東京)をはじめ、鈴木武蔵(新潟)、荒野拓馬(札幌)、矢島慎也(岡山)など国内組にも有望なアタッカーが揃う。これまでチームを支えてきた常連メンバーの奮闘も楽しみなところだ。
 
 一方、守備面ではセットプレーに気を付けたい。U-23シンガポール代表戦の唯一の失点もFKからやられている。課題であるリスタート時の守備を詰めていくと同時に、「いつ奪いに行くかのタイミングもまだまだ」(大島僚太/川崎)なだけに、チーム全体でいかに連動したディフェンスができるかもポイントのひとつだ。
 
 なお、秋野央樹(柏)は怪我のため離脱し、代わって安在和樹(東京V)が追加招集された。また、豊川雄太(鹿島)は膝関節の検査のため一時チームを離れるが、15日に再集合予定となっている。

取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部) 
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