【横浜】軌道に乗ってきた新システム3-4-2-1。その効果と手応えは?

2020年09月24日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「バランス良く選手が立っている」(扇原)

正確な長短のパスでチームを操るボランチの扇原も「上手くハマってきている」と新システム3-4-2-1の手応えを語る。写真:徳原隆元

[J1第18節]横浜3-1仙台/9月23日/日産スタジアム

 15節の名古屋戦から、横浜は従来の4バックから3バックに変えて戦っている。システムも慣れ親しんだ4-3-3から、両ウイングを配した名古屋戦の3-4-3を経て、3-4-2-1に。名古屋戦、続くC大阪戦はいずれも1-2で敗れているが、その後の清水戦は3-0、鳥栖戦は3-1、そして今節の仙台戦も3-1と3連勝を達成。新機軸がようやく軌道に乗ってきた。

 システムが変わっても、攻撃的な『アタッキング・フットボール』の哲学は貫かれている。基本的なスタンスは変わらないが、以前と比べて選手同士の距離感が良くなった印象で、ボールの流れもよりテンポが上がり、ポゼッションの質も高まっているように映る。

 正確な長短のパスでチームをコントロールするボランチの扇原貴宏も、たしかな手応えを感じているようだ。

「システムが変わったことで、最初からいろんなところにバランス良く選手が立っているので、出しどころもすごくありますし、各ポジションにパスが出たとしても、すぐサポートに行けるところにみんながポジションを取れるシステムだと思います」

 当初はなかなか結果に結びつかなかったが、ここにきてようやく目に見える成果が出始め、チームとしても自信を深めている。

「このシステムにもみんな慣れてきて、上手くハマってきているし、もっともっと精度を上げられるはず。自分たちもやりやすいし、3連勝できて手応えを感じていると思うので、これを継続していきたい」
 
 とりわけ2シャドー+CFの前線が効いている。3人が近い距離で高い連動性を見せれば、シャドーのひとりがワイドに開いて敵の守備陣形を広げさせ、味方が攻め入るスペースを作る。この"伸縮性"を上手く利用して、扇原をはじめ中盤から効果的なパスが入り、多彩な攻撃を繰り出していく。

 昨季のチャンピオンチームはいまだ中位に甘んじているが、自慢の攻撃力を進化させつつある新システムを上位浮上の足がかりとしたい。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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