【川崎】強さの秘密。快進撃を支えるスタッフ陣の貢献

2020年09月25日 本田健介(サッカーダイジェスト)

鬼木監督は感謝を口にする

横浜FC戦ではリーグ6連勝を達成。ゆりかごダンスも披露した。写真:田中研治

[J1第18節]川崎3-2横浜FC/9月23日/等々力

 ポゼッションスタイル同士の対決となった川崎と横浜FCの一戦。川崎は臆することなく挑んで来た横浜FCに対し、試合終盤にピンチを迎えるなど苦戦を強いられた。

 もっとも田中碧の先制点と、旗手怜央の2ゴールでしっかり勝ち切るところに、今の川崎の強さが象徴されているだろう。今季はいまだ一敗、19試合を終えて勝点を50に乗せて首位を快走。同節に2位のC大阪が敗れたため、勝点差は11に広がっている。

 今季の川崎の強さの要因は様々な角度で語られている。4-3-3の布陣変更による攻撃力のさらなる強化、選手層の厚さを活かせる5人交代制への変更、降格がなくなったことでのベタ引きをするチームの減少、三笘薫、旗手ら大卒ルーキーの望外の活躍など……。挙げればキリがないだろう。

 ただ最近の取材では新しい側面も見えてきた。それが今季から新たに寺田周平コーチ、戸田光洋コーチらを迎えたスタッフ陣の功績である。
 
 例えばリーグ戦の半分、17試合を終えた16節の広島戦後(24節を先に消化)に鬼木達監督はこんな言葉を口にしていた。

「怪我人が少ないところ。フィジカルコーチの篠田(洋介)さんが、そこをすごく大事にしてくれました。自分は多くの選手を使える状態でした。篠田さんには感謝していますし、選手も自己管理をしっかりし続けてくれました」

 後日、その本意を指揮官に改めて訊いてみるとこう答が返ってくる。

「練習メニューを組み立てていくなかで、どのくらいの強度にするべきなのか、トータル時間はどれくらいかなど、アドバイスをもらっているんです。いろいろアイデアをもらいながら、やっているのが現状で、違うやり方にチャレンジできているのは篠田さんのお陰です」

 そして他のコーチ陣への感謝も口にする。

「コンディションを篠田さんがやってくれて、強度が足りないところを、他のコーチがいろいろやってくれている。寺田(周平)、ミツ(戸田光洋)、(吉田)勇樹、ドゥー(二階堂悠)、菊池(新吉)キーパーコーチを含めて皆が分担してやり繰りしてくれているので、そこは大きいです。(過密日程により)全体(練習)が短くなっても、ほかのところでみんなが強度を落とさずにやってくれている。そこはありがたいですね」

 今季は大卒の三笘、旗手らの活躍が光るが、ある日の全体練習後には、ふたりと同期入団のアタッカー(今季はSBに挑戦中)のイサカ・ゼインに鬼木監督が熱心にアドバイスを伝える傍ら、同じく同期のCB神谷凱士はかつて"川崎山脈"の一角として最終ラインを支えた寺田コーチからマンツーマンで薫陶を受ける。そしてセットプレーの強化にもひと役買っている戸田コーチは、シュート練習で攻撃陣にアドバイスする。

 全体トレーニングでは吉田コーチが雰囲気を盛り上げ、篠田コーチがフィジカル面を管理し、菊池コーチがGK陣に目を光らせ、二階堂コーチがスカウティングを担当する。

 さらにここまでのベースを築き、新たなエッセンスも加えている他のスタッフたちの貢献も欠かすことはできず、それぞれの役割分担が若手たちの成長を促し、強固な土台作りへとつなげているのだろう。

【J1第18節PHOTO】川崎3-2横浜FC|川崎が旗手&田中のゴールでカズが先発した横浜FCに勝利!!

【三浦知良PHOTO】J1での最年長出場記録を大幅に更新したカズを特集!!

次ページ田中、旗手がゆりかごダンスを送ったのは…

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事