世界のトップアスリートが直筆サイン入りアイテムを販売する理由とは?

2020年09月23日 サッカーダイジェストWeb編集部

世界的に有名なアスリートほどスポーツメモラビリアを販売する傾向に

C・ロナウドの雄たけびが聞こえてくるような圧巻の迫力。国内外から人気を博し完売が続く直筆サイン入りの作品。

 ウィズコロナ時代に在宅時間が増す中、アスリートの直筆サイン入りコレクションを購入し、楽しむ人が増えている。お気に入りの選手の直筆サインを飾ることで、自宅に居ながらにして、非日常感を楽しむ。そんな光景が日本各地で広がりつつあるという。
 
 一昔前は選手を追いかけて、無料で直接もらうイメージが強いものだったが、現在では世界的に有名なアスリートほど、公認の直筆サイン入りコレクション、いわゆるスポーツメモラビリアを販売している。
 
 なぜ世界トップクラスの選手は自身の直筆サイン入りアイテムを販売し、ファンはそれを求めるのか。知られざるアスリートとスポーツメモラビリアの関係性に迫った。

■市場に透明性をもたらす
「ブランド管理、贋物排除が目的」と語るのは、東京・表参道で、世界有数のサッカーメモラビリア専門ブランド「ザ・ダグアウト」を経営する伊藤大也氏。メモラビリアの企画販売のみならず面会イベントも実施し、現サッカー界の2大巨頭、クリスチアーノ・ロナウドやリオネル・メッシとも交流を持つ。

 選手公認のメモラビリアが流通することは、選手のブランド価値を守り、贋物の排除に貢献するという。

 例えば需要が高い状況で、オフィシャル品が販売されていない場合、真贋が不明瞭な直筆サインが出回ることになる。これは選手とファンの双方にとって望ましい状況ではない。

 90年代に米国で発表されたFBIレポートは、匿名性の高いインターネットを中心に販売されていたメモラビリアの75%が贋物の可能性が高いと指摘。個人間取引の危険性が表面化したケースである。

 こうした状況を改善すべく、世界トップクラスのアスリートはノウハウに長けた専門ブランドと提携し、署名時の証明写真の使用を許可することで、お墨付きを与えるのである。

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