【川崎】今季初黒星の舞台裏。中2日でのアウェー連戦に向けた修正ポイントは?

2020年08月24日 江藤高志

チャンスを仕留め切れず…

随所で激しい攻防が見られた名古屋との一戦。緊張感のある好ゲームだったが、川崎は連勝を伸ばすことはできなかった。写真●徳原隆元

[J1リーグ12節]名古屋1-0川崎/8月23日/豊田スタジアム

 記録はいつかは止まるものなのだが、やはりその時を迎えると残念でもある。12節、アウェーで名古屋と対戦した川崎は0-1で敗れ、J1での連勝記録は「10」で止まった。

 前半終了間際の44分に金崎夢生に奪われた1点を挽回できず、今季初黒星を喫したのだ。今シーズン、名古屋とは8月12日のルヴァンカップですでに対戦しておりドロー。その試合でも常に先手を取られるなど苦戦を強いられたが、やはり根源的な話をするのであれば他クラブを含めて、守備の堅いチームに先制されると苦しくなるということなのだろう。

 この点を試合後、鬼木達監督は明快に説明している。

「自分たちのチャンスの時に決め切るということをしないと、なかなか守備の堅いチームですので。リードされる難しい展開になったと思います」

 鬼木監督が言うところの「自分たちのチャンス」とは開始5分の守田英正、下田北斗の決定機であり、17分の山根視来のシュート、37分の脇坂泰斗のエリア内への飛び込みといった場面であろう。前半に作ったこれらの決定機を川崎は仕留められず。失点後は名古屋を最後まで崩し切れなかった。
 
 この名古屋戦に向け、川崎は守備面で多少の変化を加えていた。前回のルヴァンカップでの名古屋戦では、4-3-3(中盤は逆三角形)を敷くなかで、アンカーの脇を狙われたため、その対策を取っていた。2−2のドローだった前述の名古屋戦に途中出場していた守田がその対策について述べている。

「守備の配置でいうと、4−4−2というか、4−5−1。前回のルヴァンでは、自分の脇、アンカーの脇をうまく使われていたので、その改善として守備の時はボランチ2枚でやるというところを意識していました」

 その結果、決定的に崩されることはなかったが、一方でそれ以外の守備を行なう際に難しさが出てしまっていたのだという。

「チームの守備に対してのスイッチが入らなかったり、奪いどころがはっきりしないという現象が起きてしまった」

 そもそも川崎はここ数試合、アンカーシステムの脇を使われており、そのいずれの試合でも前半のうちに戦い方に微調整を加えていた。そういう意味でシステム変更には慣れていたはずなのだが、相手が変われば戦い方も変わる、ということなのかもしれない。

 いずれにしても、ポイントはこの初黒星がチームに与える影響だ。続く中2日、アウェー連戦となる24節の神戸戦(ACLの関係上、繰り上げで開催)で連敗は避けたい。

 だからこそ鬼木監督はこの敗戦を乗り越えたいと力強く話す。

「一番大事なのはこういう連勝が途切れた後、そういうところからだと思います。ここからの連戦はすごく大変ですが、新たなパワーを自分たちから見い出してやっていければなと感じます」

 次節は今季の川崎の今後を占う大事な試合になりそうだ。

取材・文●江藤高志(川崎フットボールアディクト)

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