まだまだ伸びる!高卒プロ入りを目指す、194cmの明秀日立高2年生GKが秘める驚異のポテンシャル

2020年08月22日 安藤隆人

急激な成長も「体重も一緒に増えるのでオスグットなどの怪我もありません」

明秀日立の2年生GK谷口。194cmの長身が際立つ。写真:安藤隆人

 発展途上――。明秀日立の2年生GK谷口璃成を語るにあたって、この言葉がピタリと当てはまる。

 高2である彼は194cmの高さとバネを生かしたシュートストップが持ち味。特に1対1のシーンでは無闇に飛び込まず、相手との間合いを詰めながら冷静に面を作って対応する。何より目を引くのがその立ち姿だ。ヒョロヒョロとしている印象はなく、筋バランスの取れた身体でゴール前に立つ姿は非常に絵になる。

 だが、一方でこれだけの高さを持ちながら、ハイボールやクロス処理には不安を残す。流経大柏、昌平、矢板中央、桐生一、京都橘、流経大U-19が参加したRYUKEI CUPでも、クロスに対して飛び出すのかステイするのかを躊躇する場面も見られた。

「昔からハイボールはそこまで得意ではありませんでした。高校に入って、そこが足りないと痛感したので今はより自分の高さを生かすべく、大塚義典GKコーチとともにチャレンジしている最中です。今日もまだ適切なポジションを取れていないので、そこはこれからもしっかりと向き合って取り組んでいきたい」

 真摯にそう語る彼を見て、まだまだ発展途上の選手であることを改めて感じた。GKとしてビルドアップ面、安定感という面で磨くべきところは多々あるが、どうしても魅力に感じるものを彼は持っている。前述した佇まいもそうだし、彼の高さと身体的なバランスを見ると、その秘められたポテンシャルの高さに目が行く。それはこの言葉でよりはっきりとした。

「小6の時は165cm、中1で168cmだったのですが、中2で一気に180cm、中3で188cmになりました。高校に入って昨年は191cm、今はそこから3センチ伸びて194cm。まだ伸びると思います。身長は伸び続けているのですが、体重も一緒に増えてくれるので、オスグットなどの怪我はありませんでしたし、違和感なく身体を動かせています」

 急速な身長の伸びは膝や腰、そして身体操作の面で大きな影響を及ぼす。彼は驚異的な伸びを見せているにもかかわらず、その影響をほとんど受けていない。それだけしなやかな筋力とバランス感覚を持っていると言っていい。それこそ、彼に感じるポテンシャルだった。あとはよりGKとしてのスキルを磨けば、面白い存在になるかもしれない。その期待感が惹きつけられる大きな魅力だ。

「高校卒業後にプロに行きたいと思っています。そのためには確実なストロングを持たないといけないので、自分の身長を生かすという面では、クロス処理の成長はマストですし、キックの精度を上げていかないといけない。コンディションは上がっているので、もっと自分磨きをして行きたいです」
 

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