【J1】サッカーダイジェスト担当記者が2015シーズンを展望 柏編|キーワードは「ボールとスペースを支配する」攻撃的サッカー

2015年03月04日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「(お互いの)考えが明確になった」(輪湖)

アカデミーで一貫して採用している4-3-3をトップチームに移植。攻撃的なサッカーを展開するスタイルがベースとなる/フォーメーション内、赤字の選手は新戦力。

 Jリーグ開幕よりひと足先にアジア・チャンピオンズリーグで今季の公式戦を迎えたのがG大阪、浦和、鹿島、柏の4チーム。アジアの舞台で見えた収穫と課題はいかなるものだったのか。
 
 ここでは、吉田新体制となった柏をクローズアップ。ACLでのパフォーマンスを踏まえ、3月7・8日のJ1開幕に向けた見どころと躍進へのポイントを探る。
 
――◆――◆――
 
柏レイソル
昨季リーグ成績:4位(J1) 勝点60 17勝9分8敗 48得点・40失点
 
 

Q
ACLで見えた収穫は?
 
 ACLプレーオフを含め、すでに公式戦3試合を消化。急ピッチでのチーム作りのなか、自分たちが主導権を握って攻撃を仕掛ける新スタイルは早くも浸透している。ボールが落ち着くというチームの共通理解により、「タイミングを考えるだけでいいくらい、(お互いの)考えが明確になった」と輪湖は話す。また、チームには強い一体感が感じられ、吉田監督が目指す「選手全員が同じ方向に向かい、自分たちのサッカーに意志を持って参加する」姿勢はシーズンを戦ううえで大きな強みになるはずだ。
 
 
Q
Jリーグ開幕までに修正すべきポイントは?
 
ACLプレーオフで二度も簡単に失点を許した守備は、最終ラインのコントロールや裏のケアを軌道修正し、韓国チャンピオンの全北現代を無失点に抑えた。物足りなさを感じるのは、フィニッシュの精度。リスクを回避して勝点を獲りに行った全北現代戦は別としても、攻撃的なサッカーを掲げてアタッキングサードやゴール前への侵入回数は増えているだけに、それを高い確率で仕留めなければ真の意味での新スタイル完成とは言えないだろう。
 
 
Q
現在チームを牽引する好調の選手は?

レアンドロ(FW)
 
 前線のレアンドロにボールが収まり、両サイドとインサイドハーフが上手く絡んだ際に厚みのある攻撃が展開されている。トップフォームに持っていくのにかなりの時間を要した昨季とは異なり、今季は初の公式戦となったACLプレーオフからフル出場を続けるなどコンディションも良好。頼れるブラジル人アタッカーが最前線に構える限り、対戦相手にとっては油断のできない状況が続く。

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