【橋本英郎】コロナ禍のJリーグに感じる変化と選手の本音。「なんとも言えない感覚のなかで進んでいる」

2020年08月19日 橋本英郎

練習試合のような、でも、気持ちの入り方は公式戦。

41歳にして今治で主軸を張る橋本。2年ぶりのJリーグで充実の日々を送る。(C)J.LEAGUE PHOTOS

 コロナ禍の自粛期間を経て、たくさんの方々の尽力でJ3リーグが6月27日に開幕しました。

 今回はJ3が開幕して自分たち選手の立ち位置、コロナの環境下でどんなところに変化が生まれたのかなどを中心に書きたいと思います。

 自粛期間は、パーソナルトレーニングに励んで自分の弱かったところ、以前は使えていた身体の動きを見直す時間になりました。トレーニングコーチはコロナの影響で対面のトレーニングができなくなりましたが、リモートで一緒に取り組む機会を多く作ってもらいました。気持ちとしては、ゴールの見えない状況でしたし難しい自粛期間でしたが、自分の足りないもの、欠けつつあったものと向き合える時間だと、ポジティブに捉えるようにしていました。

 そしてようやく迎えた開幕戦。僕たちFC今治の対戦相手はFC岐阜でした。十分にJ3でも戦えるんじゃないかと手応えを感じたと同時に、勝ち切る力のなさ、相手チームをリスペクトし過ぎる点などを、試合を通じて感じました。

 最初の2試合はリモートマッチになり、初めてのサポーターのいないスタジアムでの公式試合も経験しました。各クラブの方針でバックミュージックを流していたりいなかったりと、違和感を感じながら試合をしていました。練習試合のような、でも、気持ちの入り方は公式戦。このなんとも言えない感覚のなかで、僕たちの今シーズンは進んでいます。
 
 去年JFLを戦うなかで、なんとか来季はJリーガーに復帰したいと思っていましたが、Jのピッチの違いを感じるというより、コロナ環境との違いをより強く感じています。

 それでも始まればあっという間で、先週末の日曜日にシーズンの約3分の1となる10節が終わりました。ここまでの戦いを振り返ると、個人的に予想していた順位よりは、正直少し上でした(8月19日時点で18チーム中5位)。みんなのプレーが、カテゴリーが上がったなかでも通用しているからだと思います。

 闘う気持ちはスペイン人監督(リュイス・プラナグマ・ラモス)になってから明らかに安定してきました。去年の小野(剛)監督の流れを受けて、闘える集団になりつつあったところがより洗練されてきたように感じます。いまのFC今治は、新しい発想を付け加えて、勝利、勝負にこだわるチームに変貌していっています。

次ページ古巣ガンバとの対戦。涙が出るほど感激した。

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