【横浜FC】リーグ最多失点の難題。指揮官が「一番の守備」と考える打開策とは?

2020年08月18日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

むしろ注力するのはポゼッションだ

前節の湘南戦は2失点。10節を終えていまだクリーンシートは一度もなく、総失点22はリーグ最多の数字。いかに失点を減らすかは最重要課題だ。写真:滝川敏之

「攻撃をするために、しっかりと後ろからビルドアップしてゲームを作る。そこは徹底的にこだわりを持ってやっています。ビルドアップは家作りの土台、基礎だと思っている。そこがなければ家は倒壊します」

 そうしたサッカー観を、横浜FCの下平隆宏監督は「信念」という言葉で表現する。

 自分たちでボールを握って戦うことに、一切のブレがない。それは、10節を終えてリーグ最多失点(22失点)という守備面をいかに修正するかというアプローチでも貫かれる。

 直近の湘南戦は後半に2失点。20分までに4点を奪うゴールラッシュを見せていただけに、4-2のスコアで7試合ぶりの勝利を手にしたが、指揮官は当然、満足はしていない。

「後半は特に、プレッシャーをかけられて押し込まれる時間帯が続いてしまった。しっかりボールを握っていれば、あそこまで守備に回る時間は少なかった」

 失点をひとつでも減らすために、引き気味に構えるなど守備重視のスタンスを取るつもりはない。「ずっと守備をしているだけのチームにはしたくない」。むしろ注力するのはポゼッションだ。

「基本的な僕の考えは、そこが一番。強烈なDFを集めるより、ボールを持っていることが一番の守備だと思っている。実際、湘南戦はボール保持率も最終的には逆転された。そういったところが失点につながったと思う」

 安定したビルドアップでボールを握る。そうすれば「良い攻撃ができるし、逆に言えば守備の時間を減らせる」。最後尾からのつなぎは、そこで奪われれば即ピンチにつながるリスクの大きなやり方だ。ひとつのミスが失点に直結するが、それでも下平監督は主体的に"ボールを持っていること"で、失点増の問題を解決しようとしている。

 攻守両面で効果が見込めるポゼッションのさらなる強化が、躍進の鍵を握る。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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