【J1】サッカーダイジェスト担当記者が2015シーズンを展望 新潟編|得点力アップが浮上の鍵

2015年03月02日 五十嵐創(サッカーダイジェスト)

新加入選手によって攻撃のバリエーションは増した

昨季同様にオーソドックスな4-4-2がベース。新人の平松の評価が上昇中で、開幕デビューも有り得る。/フォーメーション内、赤字の選手は新戦力。

 2004年以来の2ステージ制で開催される2015シーズンのJ1が、いよいよ3月7・8日に開幕する。果たして、開幕戦に臨む各チームの仕上がりはいかなるものか。
 
 ピンポイント補強で上位進出を狙う新潟の今季を占う。
 
――◆――◆――
 
アルビレックス新潟
昨季リーグ成績:12位 勝点44 12勝8分14敗 30得点・36失点
 
Q
オフの採点。 補強を含めたここまでの準備は100点満点で何点?
 
80点

 懸案の左SBと前線にピンポイント補強し、チームのグレードは確実に上がった。また、キャンプでのハードトレーニングも、酒井が別メニュー調整しているくらいで、目立った離脱者を出していない。点数を付けるならば、80点といったところだろう。
 
 マイナス20点としたのは、田中亜を放出した攻撃的MFの一角が定まっていないからだ。推進力のある鈴木や新人の平松、攻撃に変化を付けられる成岡や加藤とタイプの異なる駒は揃っているものの、いずれも飛び抜けた存在感は示せていない。
 
Q
昨季から大きく変わった点は?

 マンマークをベースとした守備や、素早い切り替えとパスワークでの攻撃は、今季も踏襲されている。そのため、チームとしての戦い方は変わっていないが、新加入選手による化学反応は起きている。
 
 ドリブル突破を得意とする山崎は、その持ち味を活かして攻撃に新たなバリエーションをもたらし、左SBのコルテースと前野も精度の高いクロスや果敢なオーバーラップで厚みを加えた。
 
 特に後者に関しては、昨季のチームになかった武器で、どちらが出場するにしても攻撃面で大きく貢献するだろう。
 
Q
チームの最大の強みと懸念材料は?

 昨季同様に、粘り強い守備が最大の長所だ。各自が責任を持ってマッチアップする選手を押さえ込む守備スタイルは、マークの受け渡しに失敗してフリーの選手を作る場面がほとんどない。それだけに、あっけない失点は皆無で、押し込まれた際にも中盤でしつこく身体を寄せてパスミスを誘い、最終的に対人に強いCBの大井や舞行龍が撥ね返すスタイルも確立されている。
 
 一方で、不安なのが攻撃面だ。言うまでもなく、昨季は30得点でリーグワースト3位。新加入選手が新たなバリエーションをもたらしているとはいえ、実戦で機能するかは未知数だ。
 

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