【仙台】「イニエスタのような驚異的なパスを出したい」JFLからJ1へステップアップしたMF浜崎拓磨が見せる貪欲さ

2020年08月16日 小林健志

CKも任されるなど存在感が増している

先発フル出場で2本のシュートを放つなど攻守に貢献した浜崎。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ10節]仙台0-0清水/8月15日(土)/ユアスタ

 第9節の神戸戦は攻守ともに改善を見せて7試合ぶりの勝利を挙げ、10節・清水戦は得点こそ取れなかったものの、無失点で終えた仙台。その中で攻守ともに大きな存在感を見せたのが、神戸戦からボランチで先発出場を続けるMF浜崎拓磨だ。

 清水戦での走行距離は両チーム合わせて2位。1位の関口訓充12.331kmに続く12.244kmもの距離を走った。とにかくあちらこちらに顔を出し、球際で激しい守備を見せたかと思えば、攻撃陣を生かすパス出しも見せるなど、ハードワークを見せ、攻守の中心として活躍し、CKも任されるなど、その存在感は大きい。

 元々は右SBとして加入してきた浜崎だったが、キック精度の高さと、細かなステップを踏んで独特のリズムを奏でるドリブル、そして対人守備の強さが木山隆之監督の目に留まり、中断期間以降はインサイドハーフやボランチなど、一貫して中盤でプレーしている。「SBと走り方や走るテンポ、距離が違うのですが、ボランチの方が走りやすくて手応えを感じています。運動量は今の仙台に欠かせません」と新たなポジションに挑戦する中、走行距離が伸びていることへの手応えも感じていた。
 
 浜崎は大阪府摂津市出身で、摂津SS、摂津第三中、大阪学院大高、大阪学院大を経て、大学卒業後はJFLのFC大阪でプレーした。「JFLでも上を目指して常にがむしゃらに泥臭く頑張ろうという思いでやってきました」と今季の新加入選手会見でも語った通り、2年間のJFLでの奮闘が実り、3年前にJ2の水戸ホーリーホックに加入。しかし水戸でも常時先発出場できていたわけではなく、特に昨季はJ2リーグ6試合の出場にとどまった。しかし出場時のプレーが仙台の強化の目に留まり、27歳にしてJ1でのキャリアをスタートさせることとなった。

「昨年それほど試合に出場していないなかJ1の舞台に来させてもらって、試合に出る喜び、楽しさがあります。挫折は結構ありましたが、プロの舞台でサッカーをすることを昔から目指してきていたので、今は充実してサッカーを楽しめています」
 

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