【浦和】GK西川周作│日本一への挑戦

2015年02月26日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

「昨年から悔しい想いしかしていない」。目標は、目に見える結果を出すこと――。

浦和のタイトル奪取には、この男の活躍が不可欠。今季はペトロヴィッチ監督から、よりリベロに近い役割も求められているという。 (C)佐藤 明

「昨年から、悔しい想いしかしていませんからね。ただ、きっとこの経験を経て、強くなれるはずだと信じています」
 
 浦和のGK西川が決意のシーズンに臨む。
 
 浦和へ移籍した昨季、失点数をリーグ3位となる32に抑えた。これは浦和にとって、過去7年間で最少である。
 
 チームとして10節の横浜戦から7試合連続無失点のJリーグ記録を打ち立てるのに貢献し、個人としてもシーズン16試合完封という新記録を作った。
 
 13年に「J2に降格していてもおかしくない数字」とペトロヴィッチ監督が嘆いたワースト6位タイの56失点を喫した守備は、1年で明らかに変貌を遂げた。チーム全体が守備意識を高めたこともあるが、その守備再建の象徴的存在は、間違いなく西川だった。
 
 とはいえ、19節以降守り続けていた首位の座から残り2節で陥落。シーズン最後の3試合で一度も勝てず、優勝を逃した悔しさはやはり大きかった。
 
 その一方で、「決して、ずっと落ち込みはしませんでした」と言う。
 
 なぜなら、優勝できなかった理由をしっかり受け止めていたからだ。
 
「悔しかったけれども、結果はしっかり受け止めました。理由は力が足りなかったから。自分たちに足りないものがあったから」
 
 その足りなかったものとは――。
 
「広島でリーグ2連覇を達成した時は、ここぞという試合に勝ったり、最低でも引き分けたり、そういう勝負強さがあっての優勝でした。そこがレッズに足りなかった。チームのみんなが感じていると思います。
 
 今年もきっとそういう同じ状況が来るはず。その究極の時に、その経験をどう活かせるか。そこはむしろ楽しみにしています」
 
 今季再び、むしろ昨季以上に重圧のかかる日々が訪れた時、守護神は「その究極の状態を楽しみにしている」と言うのだ。
 
 加えて日本代表でも思うように出場機会を得られず、唇を噛み締めてきた。アジアカップでは一度もピッチに立てないまま、終戦を迎えた。

次ページ出場を熱望する、3月27日、故郷・大分で迎える日本代表戦。

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