「40分も説得した…」“蚊帳の外”にいる中島翔哉の現状をポルト幹部が語る「まだ疑問は存在している」

2020年07月30日 サッカーダイジェストWeb編集部

チームの輪に入れなかった中島

2年ぶりの国内リーグ制覇を成し遂げたポルトにあって、中島は“蚊帳の外”に置かれた。 (C) Mutsu FOTOGRAFIA

 ポルトガルの名門ポルトは2019-20シーズンの国内リーグを制覇し、2年ぶりに王座に返り咲いた。しかし、歓喜に湧いたチームに所属しているはずの中島翔哉の姿はなかった。

 優勝決定後の今月20日には、本拠地ドラゴンで行なわれたモレイレンセ戦後(6-1)に優勝セレモニーを開催したポルトだったが、そこにも日本代表の10番は姿を見せず……。そのことを問われたセルジオ・コンセイソン監督も、「それは私が答える必要のない質問だ」とぴしゃり。現状に対する具体的な発言を避けている。

 昨夏に大きな期待を受けてポルトに鳴り物入りで加入した中島だったが、満足のいくパフォーマンスを披露できずに苦戦。中断明けの5月からは夫人の体調不良や、新型コロナウイルス感染の不安からチームを離脱し、6月からようやくトレーニングに復帰したが、別メニュー調整が続いていた。

 文字通りの"蚊帳の外"にある中島に関して、チームはどう考えているのか。クラブとの関係性悪化も指摘されるなか、ポルトのスポーツダイレクターを務めるルイス・ゴンサウベス氏は、地元ラジオ局『Porto Canal』の取材で、「彼のようなケースは説明が難しい」と漏らした。

「新型コロナウイルスに紐づく問題であることは間違いない。だが、文化的な問題ではないと我々は考えている。ポルティモネンセの日本人選手たち(権田修一、安西幸輝)はトレーニングに復帰して、しっかりとこなしていると聞いているからね」
 
 さらに同氏は、中島と個別ミーティングを設けたことを明かしている。

「これは家族に関する問題なんだ。ナカジマとミーティングの場を持った時のことを覚えているよ。我々はトレーニングに戻ることに何の問題もないということを伝えて、だいたい40分かけて彼を説得しようと試みたんだが、ダメだった。もしかしたら、言語的な部分で問題があったのかもしれない」

 中島とのやり取りに対する苦悩を漏らしたゴンサウベス氏だが、最後にはこうも強調している。

「ナカジマは今もポルトの選手であり、そこに何の間違いもない。ただ、依然として、疑問は存在しており、私たちはそれを解決しなくてはならない」

 中島とポルトの現行の契約は2024年6月までとなっているが、加入から1年で立場は危うくなっていると言えそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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