「かつて私もプロとしてプレーした身として…」ネルシーニョ監督が過密日程のポイントについて持論を展開【柏】

2020年07月29日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

「良いペースやサイクルを作る」ことができている選手を見極め

ネルシーニョ監督が過密日程におけるポイントを語った。写真:滝川敏之

 昇格組の柏が好調だ。5節の湘南戦は3-2、6節の浦和戦は4-0、7節の仙台戦は5-1と3連勝。光るのは選手層の厚さで、クリスティアーノが怪我により離脱中のなか、連勝中に仲間隼斗が3戦連発と活躍した。アシストを量産していた神谷優太が仙台戦で負傷交代すれば、代わって出場した瀬川祐輔が1ゴール・1アシストを決めている。

 他のポジションも含め、連戦のなかで選手を入れ替えても、出場した選手が取って代わってその都度活躍している。なぜ好サイクルを生み出せているのか、ネルシーニョ監督が過密日程のポイントについて持論を展開した。

「競争という言葉には色んな解釈があると思います。今のレイソルは、みんながチームのためにやっている。もちろん、試合に行ける、行けないというのは当然ありますが、そのなかで最終的な決定権は私にある。戦術的、技術的に個々の選手の状態を見極めたうえで、ゲームに行くメンバーをチョイスしています。

 不測の事態によって、ほぼ5か月で全日程をこなしていかないといけない。相当に過密日程のなかで、チームとして一枚岩にならないといけない。ピッチに立つ11人だけでは、我々が掲げている目標に到達するのは不可能。その話をこれまでずっとチームにしてきています。

 たしかに、チームには非常にクオリティの高いオプションが揃っています。チームのゲームの流れに応じて、必要なプレーをできる選手をチョイスしているつもりです。解決策はチーム内にしか存在しない。そのために、我々は普段から選手をしっかり分析しながら、適切に休ませる時は休ませて、より高いパフォーマンスでゲームに臨めるよう、取り計らっているつもりです。ただ、選手たちにも言っていますが、毎試合、誰かを温存する考えは決してない。その都度、調子の良い選手が出ると選手たちにもはっきり言っています。

 かつて私もプロとしてプレーした身として(言えることは)、水曜日と土曜日にゲームがある今のサイクルでは、良いペースやサイクルを作れた選手が、より良い状態でこれからもゲームに入ってくる。それは選手たちも理解してくれています。

 ありがたいことに、今は選手たちの状態が非常に良くて、戦術理解を深めてきているので、試合にコンバートする選手のオプションは非常に多くあると思っています」
 ネルシーニョ監督は過密日程でポイントとなる「良いペースやサイクルを作る」ことができている選手を見極め、試合で起用しているという。そのポイントを掴んだのは連勝中のメンバーで、代表格を挙げるなら、まさに3戦連発中の仲間だろう。

 もっとも、ネルシーニョ監督は選手たちを称えるが、主将の大谷秀和によれば「監督がよく見てくれているので、トレーニングで良ければ使ってくれる。使ってくれたチャンスを選手たちはなんとか活かそうとしている」。おかげで「健全な良い競争がある」と言う。

 チーム内で刺激し合い、競争は今後も続くだろう。次は誰が活躍するのか楽しみだ。

取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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