【横浜FC】下平監督も認める確かな“手応え”。それを勝点3につなげるために必要なこと

2020年07月21日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「ワイドからの攻撃はもう少し増していかないと」

チームがさらに一歩前に進むために、下平監督は「攻撃の仕上げの部分」の質をさらに高めることの必要性を語る。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 ホームでの川崎戦、結果は1-5だったが、スコアが示すような惨敗ではなかった。

 前半は0-1と先制を許す展開だったが、後半は相手を押し込む時間帯が増え、その流れで田代真一のゴールで試合を振り出しに戻す。安定感あるビルドアップでボールを前に運び、試合の主導権を握るその戦いぶりは、川崎を十分に慌てさせたはずだ。

 その後は「相手がメンバーを代えてきたなかで、受け身に回ってしまった」と下平隆宏監督も悔しがるように、相手の攻勢を止められず75分以降に4失点。終盤のゲームマネジメントは修正しなければならないが、それでもポゼッション率、パス成功率、デュエル勝率、空中戦勝利、インターセプト数などいくつかのデータでは相手を上回る数字を叩き出した。下平監督も「途中までは素晴らしいゲームができた。内容はポジティブな部分のほうが多い。前に進んでいける内容だった」と試合を振り返っている。

 リーグ再開後から新機軸3-5-2をベースに、ポゼッション重視のサッカーを展開。指揮官の狙いがピッチ上で具現化されるシーンは随所に見られ、質の高い戦いを披露しているのは間違いない。

 内容は悪くない。むしろ良い。今度はそれをいかに勝点3に結びつけるか。

「ここまで中断明けから数試合やりましたけど、自分たちがやれている時間帯だったり、やれている手応えがありつつ、ただまだはっきりと結果につながってきていない。このやり方で自信を持ってやれればいいと、そういう成功体験をもっともっと積んでいきたい。それが本当の自信になって、確固たるスタイルにつながっていくと思う。今はやり続けて、少しずつ結果を出していって、自信を持てるようになるのが一番大事」
 
 そう語る指揮官が、チームがさらに一歩前に進むために注力すべきだと考えているのが、攻撃面のグレードアップだ。

「後ろから作る部分は、だいぶ整備されてきてやれているようになってきている。そこから最後の攻撃の仕上げの部分ですね。特にワイドからの攻撃はもう少し増していかないと、なかなか得点にはつながっていかないかなという感じです」

 ここまでは順調に歩を進めており、その先の道筋も見えている。次節の相手は横浜。自分たちのサッカーで昨季王者から金星を挙げられれば、またひとつ成功体験が積み上がり、自信もさらに深まっていくはずだ。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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