なぜガンバ大阪の攻撃は劇的に改善されたのか。力強いコメントから読み解く、指揮官ツネの“修正力”

2020年07月19日 サッカーダイジェストWeb編集部

大阪ダービーでの閉塞感が嘘のように…

今季初の連勝で勢いに乗る宮本ガンバ。指揮官が理想とする新スタイルにさらなる磨きをかけるか。写真:滝川敏之

[J1リーグ第5節]G大阪 2-1 大分/7月18日/パナスタ

 まさにしてやったりの快勝劇だった。

 序盤から果敢なハイプレスでゲームの主導権を握ったガンバ大阪は、スピーディーかつアグレッシブなパス回しで、堅牢を誇る大分トリニータ守備陣を揺さぶった。33分に大分のゴラッソで先制を許すが、その4分後に小野瀬康介がPKをゲットし、これを宇佐美貴史が豪快に決めてすぐさま同点とする。そして後半開始早々の48分には、敵陣での宇佐美のボール奪取からアデミウソンにボールが渡り、鮮やかな左足のコントロールショットで逆転に成功した。

 その後も大分ゴールへの貪欲な姿勢を崩すことなく闘い、追加点こそ奪えなかったものの攻守両面で今季最高のチームパフォーマンスを披露した。会心の2-1勝利で連勝を飾り、3勝1分け1敗で順位をじわりと5位に上げたのである。

 再開初戦の大阪ダービー(セレッソ大阪戦、第2節)では、無秩序な攻撃が守備にも悪影響を及ぼし、決定機と言えるチャンスさえ掴めないまま1-2の完敗を喫した。続く名古屋グランパス戦(第3節)を2-2の引き分けで終えると、清水エスパルス戦(第4節)では終了間際の渡邉千真の決勝点で2-1とかろうじて勝利を収める。選手たちのコンディションと試合勘が高まる一方で、攻撃は迫力と連動性の欠如は持ち越し課題のままだった。

 
 守→攻への切り替えに手間取り、焦れた宇佐美が中盤の低い位置まで下がって、アデミウソンもサイドに流れるばかりと、頼みの2トップの強烈な個がまるで活かされていなかった。ところが、どうだろう。大分戦におけるチームアタックは、驚くほどにブラッシュアップされていたのだ。

 3-1-4-2システムで臨んだ大分戦。宇佐美とアデミウソンは互いの距離をなるだけ密に保ち、中盤からは矢継ぎ早に縦への精緻なクサビが入った。そこに小野裕二や井手口陽介、小野瀬ら2列目のアタッカーたちがめくるめく絡み、大分守備陣にプレスポイントを絞らせない波状攻撃をお見舞いしたのである。

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