【鹿島】「より爆発的な攻撃力」を出すために。上田綺世が見据える“殻を破った”その先

2020年07月15日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「いろんな可能性を秘めていると思います」

浦和戦では惜しいヘディングシュートを放った上田。次の横浜戦ではチームを波に乗せるゴールを奪えるか。(C)KASHIMA ANTLERS

 前節の浦和戦は0-1の完封負け。これで公式戦6連敗と厳しい状況が続く鹿島だが、ザーゴ新監督の下、これまでのリアクションサッカーから、自分たちでボールを握ってアクションを起こすスタイルへのモデルチェンジは、着実に進んでいる。7月15日のオンライン取材に応じた上田綺世も、その手応えを口にする。

「順位は最下位ですけど、去年のデータと比較したら、ポゼッション率は格段に上がっている。それは、僕らが負けている状況で押し込んでいるという局面的な部分もあると思いますけど、データとしては悪くないはず」

 目指すサッカーは徐々に体現できるようになってきている。その完成度をさらに高める特効薬となるのは、ゴールだ。ここまでの公式戦6試合で、得点は相手のオウンゴールのみ。現在の苦境を脱するためには、正真正銘、自分たちの力で奪うゴールだ。

「自分たちの型でゴールを取れれば、もっともっとプレーに余裕が出ると思う。逆に、その型を外せる選手がいれば、より爆発的な攻撃力を出せると思う」

 なによりもまずは自分たちのやり方でゴールをもぎ取る。さらに1点、2点と。チームとしてコンスタントに結果を出したうえで、上田はその先も見据える。

「まずはひとつ殻を破って、それを習慣づければ、その戦術的な部分を利用して、ミドルシュートだったり、僕とかエヴェラウドみたいな身体能力のある選手が急に活きたりすることもある。いろんな可能性を秘めていると思います」
 
 得点という部分では世代屈指のFWである上田は期待されているし、本人も得点にフォーカスしてスタメン定着を狙う。

「レギュラーを取れる存在は、点を取れる、チームを勝たせられる可能性を見出せる選手だと思う。どんなにビルドアップが良くてもスタメンにはなれないだろうし、こいつを試合に出したら点を取ってくれるかもしれないと、ザーゴ監督に思わせられる存在ですね。練習からより多く点を取って、ゴールへの脅威を感じさせるような選手がやっぱり期待されるし、それがスタメンに一番近いかなと。今はよりそういう状況だと思います」

 浦和戦で上田は67分に途中出場し、惜しいヘディングシュートを放った。間違いなくゴールを感じさせるフィニッシュだった。次はホーム横浜戦。「まずはチーム内の争いで、しっかりと自分の特長をアピールして、チャンスをもらうこと。チャンスを得たら、マリノス戦で全力をぶつけて、なおかつ結果を残せれば、また自分の自信になる」と気合いを入れる。

 ゴールはもちろん、「まずは勝つこと」と今季初勝利を目指す。「やっぱり勝つっていうのは、いろんな意味をチームにもたらせる」。その立役者となれるか。有観客となるホームゲームで、待望の勝点3を引き寄せる活躍を見せたい。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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