【仙台】「もっとゴールに絡みたい」J1初スタメン初ゴールのFW山田寛人が見せる貪欲さ

2020年07月10日 小林健志

ホームで浦和に1-2と敗戦したが、収穫も

1点ビハインドで折り返した49分、J1初先発の山田寛人のJ1初ゴールが同点弾に。写真:田中研治

 浦和にホームで1-2と悔しい敗戦を喫した仙台だったが、収穫もあった。

 積極的に若手選手を起用する木山隆之監督は今節、J1初スタメンとなるFW山田寛人を抜擢。山田は期待に応え、後半開始早々の49分、FW赤﨑秀平のクロスに対し相手の空いたスペースにうまく入り込むと右足でシュートを放ち、J1初ゴールを決めた。

「秀平君があそこ(左サイド)でボールを持って、早いタイミングでクロスを上げるのは練習でも話し合って分かっていました。信じてスペースに走った結果、良いボールが上がってきたので合わせただけでした」と山田は振り返り、練習の成果を口にした。
 
 山田はC大阪U-18出身で年代別日本代表の経験も豊富なプロ3年目。昨季はJ2の琉球にレンタル移籍し、7ゴールを挙げた。元々今季はC大阪でプレーする予定で、J3に参戦するC大阪U-23のキャプテンを務める予定だったが、2月上旬急遽移籍オファーが来た。

 仙台は長沢駿、アレクサンドレ・ゲデスと長身FWふたりが相次いで負傷し、長期離脱となり、FWの駒不足が深刻となった。そこで184cmと長身の山田に白羽の矢を立て、2月7日にレンタル移籍での加入が決まった。

 山田は2月16日のルヴァンカップ浦和戦に途中出場し、仙台でのデビューを飾り、2月26日に予定されていたルヴァンカップC大阪戦は契約により出場可能(注:明治安田生命J1リーグのC大阪戦のみ出場できない)だったことから、出場が確実視されていた。

「やりにくい部分もありますが、この試合に向けて準備してきたので、自分の力を全て出したい」と2日前の囲み取材では、レンタル元との一戦に並々ならぬ意気込みを見せていた。ところが翌日、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で試合の中止が決まった。そして長きにわたる公式戦中断に入ることとなった。
 

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