【鹿島】“自分たちのサッカー”を信じて、貫けるか。主将・三竿健斗の想いは?

2020年07月03日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「みんながすごく前向きにやっている」

強度の高いディフェンスとテンポの良いパス捌き。攻守両面で重要なタスクを担う三竿は、キャプテンとしてもチームを力強く引っ張っていく。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 どれだけ"自分たちのサッカー"を信じて、やり抜くことができるか。思うように結果を出せなくても、ブレずに貫けるのか。

 今季の鹿島は、ザーゴ監督の下、新機軸を打ち出している。

「今までやってきたリアクションサッカー、ようは守ってカウンターを狙うところから、ポジションを取りながら相手を動かすポジショナルプレーを目指してやっている」(ザーゴ監督)

 新たなことにトライしている以上、「痛みを伴うかもしれない」とキャプテンの三竿健斗は言う。実際、中断前の公式戦3試合(ACLプレーオフ、ルヴァンカップ初戦、J1開幕戦)は、いずれも完封負け。1節終了時のリーグのスタンディングは、まさかの最下位。厳しい現実を突きつけられている。

 目に見える成果をまだ手にできていないが、覚悟と信念を持って邁進できるのか。7月3日の練習後、オンライン取材に応じた三竿は、確かな手応えを実感しているようだ。

「新しいチームになってから、練習で同じ形を何度もずっとやり続けている。それをやり続けているからこそ、練習試合ですけど、その形を出せる回数がどんどん増えてきている。それは、自分たちがやることを信じてやっている結果で、求められているサッカーに対して、みんながすごく前向きにやっているなっていう印象は持っています」

 当初は「映像でこういうことをやってほしいと言われて、実際に試合でやった時に、やり辛さだったり、距離感の違いがあった」。どうすればいいのかと思考を巡らせながら、「あの時、こう感じたんだけど、こうかな」など、チームメイトとコミュニケーションを重ねながら、一つひとつの問題を解決してきた。

「それを繰り返すことによって、徐々にやりたいサッカーはできてきていると思う。あとはもう、ミスしても気にせずにもう一回、そのプレーをチャレンジすることが大事」
 
 再開後、もしかしたら上手くいかない状況に陥るかもしれない。腕章を託されている三竿は、「結果が出なかった時、不平不満やマイナスな発言がどうしても出ると思う。その時に、みんながひとつの方向を向いて、プラスに考えられるように、ポジティブに捉えられるような雰囲気を作れたらいい」と、強い責任感を示す。

 とにかく、まずは1勝。なによりも『勝利』の二文字が、巻き返しを期すチームの原動力になる。

「自分たちのサッカーをして、ひとつ勝つことができれば、それが自信になって、どんどん良い方向に行くと思う。できるだけ多く勝ちを重ねて、自分たちの自信にしていけたら、すごく良いチームになるんじゃないかなと思います」

 7月4日、敵地で迎える川崎との再開初戦。希望の光が差し込むような勝点3を期待したい。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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