【J1展望】神戸×広島|カウンターの応酬に? 神戸は変わらずイニエスタが軸…広島で注目したい3人は

2020年07月03日 サッカーダイジェスト編集部

神戸――裏のスペースをいかに突くか

故障者/神戸=なし 広島=なし
出場停止/神戸=なし 広島=なし

J1リーグ2節
ヴィッセル神戸 - サンフレッチェ広島
7月4日(土)/19:30/ノエビアスタジアム神戸

ヴィッセル神戸
今季成績(1節終了時):7位タイ 勝点1 0勝1分0敗 1得点・1失点

 3月下旬、酒井高徳の新型コロナウイルス感染が確認された。神戸の選手・スタッフはクラブハウスや練習施設への立ち入りが不可となり、約2ヶ月のステイホーム期間へ。選手たちはトレーニングや食事改善など、各自でパフォーマンスの維持に努めた。

 例えば、古橋亨梧が「積極的にフルーツを摂るように」したり、郷家友太が「ジムマシンを購入して」筋トレしたり。それでも2ヶ月のブランクは長く、全体練習再開から約1週間が経った6月8日時点(リモート囲み取材)で、トルステン・フィンク監督はこう話している。

「まず選手がしっかり走れることが大切。今はフィジカルを強化している」

 ただ、これはどのチームも似たようなものかもしれない。選手のコンディションがどこまで回復しているかはリーグ全体のポイントになるからだ。神戸は中断期間中に練習試合を2回組んだが、ドウグラスが「点は取れましたが、練習試合なのでそれは重要ではない」とコメントしたように、公式戦に向けたゲーム体力や試合勘といったものは蓋を開けてみないとわからないというのが本音かもしれない。

 それを踏まえたうえで、今節のカギを挙げるならカウンターになるだろうか。

 広島は開幕節の鹿島戦を3-0で快勝している。3得点のうち2ゴールは高い位置でボールを奪ってカウンターで仕留めたもの。オフシーズンから磨きをかけてきたショートカウンターがハマった格好だ。

 神戸は高いポゼッション率を維持するサッカーが基本だが、2月のACL ジョホール戦ではスピードのある小川慶治朗を使ったカウンターから得点も奪っている。アンドレス・イニエスタの正確無比なロングフィードによるカウンターは大きな武器のひとつだ。
 
 今季全4試合でゴールを挙げている古橋やACL ジョホール戦でハットトリックを達成した小川などスピードのある選手に加え、新加入でフィジカルに優れるドウグラスもカウンターは得意だ。

 試合前日のリモート囲み取材でフィンク監督が、こんなコメントを残している。

「広島は攻撃を好む。攻撃するチームは前に上がってくる。それによって裏にスペースが生まれるのは基本的にあること。我々がそれをどう攻略して相手のスペースを突くかが一番の課題になる」

 広島が今オフに磨いてきたショートカウンターが上か、イニエスタという世界基準のパサーを軸にした芸術的なカウンターが勝るか。

 いずれにしても、イニエスタがポイントなのは間違いない。最後に、試合前日のイニエスタのコメントを記載しておく。

「(J1再開にあたって)僕たち選手ができることは、精一杯プレーすること。みなさんが楽しめるために、自分たちのために、精一杯プレーしたいと思います」

取材・文●白井邦彦(フリーライター)
 

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