【名古屋】個と組織の融合、若手の台頭。さらなる「プラスα」を

2015年02月15日 サッカーダイジェスト編集部

「キャンプで最も状態が良い」矢田が1得点・1アシストの活躍。

【名古屋 5-0 札幌】名古屋のスタメン(左が1本目、右が2本目)。1本目の得点者/ノヴァコヴィッチ(20分)、2本目の得点者/矢田(16分)、3本目の得点者/川又(12分)、グスタボ(38分)、磯村(42分)。

 2月9日から沖縄で2次キャンプを張っている名古屋は14日、札幌とのトレーニングマッチ(45分×3本)を行ない、今キャンプ最後の実戦を5-0の勝利で締め括った。

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 主力組は、1本目と2本目に出場。一際目立っていたのが、西野監督が「キャンプで最も状態が良い」と評する矢田だった。20分、右サイドでボールを受けると、ドリブルで相手DFふたりを抜き去り、ノヴァコヴィッチの先制点を演出する。さらに2本目の16分には、再びドリブルでDFをかわし、左足を一閃。「得意な形」と振り返る鮮やかな1得点・1アシストの活躍でチームを牽引した。
 
 ただし、矢田を含め、多くの選手が「チームとしては機能していなかった」と反省の言葉で札幌戦を振り返った。この日に生まれた得点は前述したとおり、個人レベルで奪ったもの。守備時に5バック気味になる相手に対し、チームとして決定機を作り出した回数は少なく、指揮官も「今日は(矢田)旭が打開してくれたところがあるが、もう少しチーム全体のコンビネーションでスピーディに戦える力が必要」と課題を挙げた。
 
 また、守備面においても連係に課題を抱えている。高い位置からボールを奪い、攻撃につなげようとする姿勢は昨季以上に見られるものの、ボールの奪いどころが定まっていないのが現状。無失点に抑えたとはいえ、ボールを保持する時間も決して長くはなかった。
 
 キャンプのテーマのひとつが、昨季後半戦からの「プラスα」である。11日の川崎との練習試合で奪った得点がカウンターとセットプレーからだったように、リアクション時の戦いは継続して強度を増している一方、「どちらかと言うとまだリアクション(の攻撃)のほうが多い」と楢﨑。新戦力のノヴァコヴィッチを活かし切れていない場面も目立つだけに、ボール保持からの崩しなど"上積み"が求められている。
 
 3本目は若手中心のメンバー構成ながら、3得点を追加した。若手が結果を残した意義は小さくないが、足の張りから出場を回避した闘莉王は「徐々に成長してきてはいるけど、若手からもっともっと背中にプレッシャーをかけられる感じにしたい」とさらなる奮起を促す。世代交代の渦中にある名古屋にとって、個と組織の融合と若手の成長は欠かせない「プラスα」となるはずだ。
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