「後悔を抱えながら生きるしかない」「残酷だった…」ジェラード、6年前の“スリップ事件”を語る

2020年06月17日 サッカーダイジェストWeb編集部

“悲運の英雄”となったキャプテンの本音

チェルシーとの大一番でのスリップで首位から滑り落ちていった6年前のリバプール。ジェラードはその責任を問われた。 (C) Getty Images

 リバプールの言わずと知れたレジェンド、スティーブン・ジェラード。彼のキャリアを語るうえで、忘れられない一戦となっているのが、2014年4月27日にアンフィールドで開催されたプレミアリーグ第36節のチェルシー戦だ。

 2013-14シーズンのリバプールは、ブレンダン・ロジャーズ監督の下で魅力的なパスサッカーを展開し、破竹の勢いで勝ち進み、89-90シーズン以来となるトップリーグ制覇に近づいていた。

 悲願成就まであとちょっとだった。だが、残り3試合で全勝すれば、プレミア優勝を自力で決められるなかで迎えたチェルシー戦で、ジェラードがまさかの失態を犯してしまう。

 スコアレスで迎えた前半アディショナルタイム3分だった。ママドゥ・サコからの横パスを受けようとしたジェラードが、自陣でトラップミス。慌てて、流れたボールを追おうとした元イングランド代表MFはここでまさかのスリップ……。転々と流れていくボールを敵FWデンバ・バにかっさらわれて、ゴールを献上してしまったのだ。

 精神的支柱だったキャプテンの痛恨のミスで、躓いたリバプールは一気に失速。チェルシーに0-2で敗れると、続くクリスタル・パレス戦では3点差を追いつかれるドローゲームを演じ、最終的にマンチェスター・シティに逆転優勝を許した。

 眼前でプレミアリーグ制覇を逃したジェラードは、16年に"悲運の英雄"として現役から退いた。

 ジェラードは、痛恨の"スリップ事件"に何を思うのか――。現地時間6月16日に英メディア『The Athletic』の取材に応じた元キャプテンは、「後悔はいつまでも消えない」と"本音"を漏らした。

「後悔を抱えながら生きるしかないと思っているよ。2014年に起きたことは、よく覚えているし、僕のキャリアの他の試合よりもおそらく話題になっているだろう。相手がチェルシーだったし、あの試合の結果は、残酷なものだったから。だけど、それは僕が向き合うべきものだ。あのプレーをやってしまった瞬間からね」

 現在は指導者に転身し、スコットランドの古豪レンジャーズで指揮を執るジェラードは、自身が叶えられなかったプレミアリーグ制覇に近づくユルゲン・クロップの率いる古巣にエールを送ってもいる。

「僕はリバプールが大好きなんだ。それは今も変わらないし、心の中の特別な場所を占めている存在だ。これから監督としてのキャリアが、どのようなものになるにせよ、それはずっと続いていくだろう」

 ジェラードがレッズ(リバプールの愛称)の指揮官となり、今度こそプレミアリーグのトロフィーを掲げる――。そんな青写真をコップ(熱心なリバプールサポーター)たちは望んでいるはずだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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