「深く繋がっていたんだ…」ナポリの闘将ガットゥーゾ、イタリア杯決勝進出に涙。逝去したばかりの妹にインテル撃破を捧げる

2020年06月14日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

千金弾のメルテンスはクラブ記録を更新!

傷心癒えぬなか、ナポリをコッパ・イタリア決勝に導いたガットゥーゾ監督。(C) Getty Images

 試合前、新型コロナウイルスの犠牲者にささげる1分間の黙とう後、医療従事者に拍手を送るなか、ナポリのジェンナーロ・ガットゥーゾ監督は天に向かってキスを送った。今月に入り、ガットゥーゾは以前から闘病していた妹のフランチェスカを失っている。37歳の若さだった。

 6月13日のコッパ・イタリア準決勝第2レグで、ナポリはインテルとホームで1-1と引き分け、2試合合計2-1でファイナル進出を果たした。開始早々にセットプレーから失点したものの、前半のうちに追いつくと、後半もインテルの猛攻を凌いで逃げ切っている。

 指揮官は、クラブにとって6年ぶりの決勝進出を、最愛の妹にささげた。

 イタリア紙『Gazzetta dello Sport』によると、試合後にガットゥーゾは目を潤ませて「サッカー界に感謝する。この決勝進出は、両親と妹フランチェスカにささげるよ」と話した。

「私たちは妹とすごく深く繋がっていたんだ。今日、わたしに喜びを与えてくれた選手たちにも感謝している」
 
 決勝進出を決めるゴールをアシストした主将ロレンツォ・インシーニェも、「イタリアの人たち、そしてガットゥーゾ監督に少し喜びを届けられたことを願う」と話した。

「彼は素晴らしい監督であり、それ以前に素晴らしい人なんだ」(衛星放送『Sky Sport』より)

 なお、ナポリを決勝の地ローマへと連れていくゴールを決めたのは、契約延長が近いと言われるドリース・メルテンスだった。これでクラブ通算得点を122ゴールとし、マレク・ハムシクを突き放してクラブレコードを更新している。

 17日の決勝で対戦するのは、ライバルのユベントス。ガットゥーゾは「相手は勝利に慣れている、素晴らしいメンタリティーを持ったチームだ」と気を引き締めた。

「だが、我々は彼らと渡り合えるはずだ」

 勝てば監督として初のタイトルとなるガットゥーゾ。17日、熱き闘将は再び勝利をフランチェスカさんに捧げられるだろうか。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部
 
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