【名古屋】2選手感染からのリスタート。練習再開にフィッカデンティ監督が示した限られた準備期間でのプラン

2020年06月14日 本田健介(サッカーダイジェスト)

「残り3週間で戦える状態にチームを仕上げる」

約2週間ぶりにトレーニングを再開させた名古屋。7月4日のJ1再開を目指す。(C)N.G.E.

 FW金崎夢生、GKランゲラックが新型コロナウイルスの陽性判定を受けた名古屋は6月13日、3名のスタッフに加え、改めて選手ら計64人に対するPCR検査の実施と、全員の陰性を発表。トップチームは同日からグラウンドで全体練習を再開させた。なお、金崎とランゲラックは現在も入院中で、合流時期は未定だという。

 トレーニング後にはマッシモ・フィッカデンティ監督がオンライン取材に対応し、今後の見通しを語った。

 新型コロナウイルスの影響による活動休止を経て、6月1日に一時、チーム練習を再開させた名古屋だったが、翌日に金崎の感染が発覚。その後、ランゲラックの陽性も報告され、約2週間、本格的な練習を積めない状況が続いていた。

 J1の再開は7月4日。他チームが準備を進めるなか、名古屋は約3週間で態勢を整える必要がある。その状況にフィッカデンティ監督は「ここまで何があって、どんな影響があったかは、今後試合をするうえで、なにも考慮されません。今必要なのは、残り3週間の間で戦える状態にチームを仕上げること。選手にも理解してもらって、やるべきことをやっていくだけです」と心情を明かした。
 6月1日には「なるべく毎週末に練習試合という形でJ1、J2レベルの相手とのゲームを設定してもらい、1か月、毎週そういう形で過ごしていきたい」と説明していたが、その計画も頓挫。だからこそ、頭の切り替えが重要だとも指揮官は話す。

「本来、順調にいっていれば、4試合を戦えていたはずですが、それが計算上、2試合しか組めないかなと。ただ4が2になってしまうことより、今後、3週間のなかで2試合の練習試合を戦ったうえで、コンディションをどう作っていくか、それを考えたいです。もちろん実戦感覚を養う場や、戦術の確認は回数が減りますが、言い訳にはなりません。その2回をどう活かすかという発想に頭を切り替えたいです」

 急ピッチで強化を図らなくてはいけないが、「選手の状態を見極める我々も、より神経を研ぎ澄ました状態で観察しなくてはいけません。より作業に時間をかけられないなかで、仕上げなくてはいけないとなると、リスクは高まります。だからこそ、選手の疲労をスタッフがしっかり見極めながら、スピードを上げていかなくてはいけません」と難しい舵取りを覚悟している。

 もっとも選手たちは久々のトレーニングに喜びを覚えたようで、雰囲気は悪くない。非公開で行なわれたこの日の練習前には、指揮官もチームに呼び掛けたという。

「今年は思うようなことが例年よりできないなかで、選手たちはサッカーをやれる喜びを感じながら、グラウンドのなかで感謝の想いを伝えていこうとやってくれています。このチームにはそういうエネルギーがあります。だからこそ、改めてポジティブに最高の準備をして、最高のゲームをできるように、一人ひとりが力を注ぎ込んだうえで、今できる限りのことをやって、最初の試合を迎えようと、そのために今日からもう一度取り組んでいこうと、そういう呼びかけをして今日の練習をスタートさせました」

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