【J再開後の注目株|名古屋】右SBの名手ダニエウ・アウベスに憧れる19歳。漂うブレイクの予感

2020年06月08日 今井雄一朗

中断前の4つのゲームにすべて先発

リーグ開幕戦の仙台戦やルヴァンカップの鹿島戦にも先発した成瀬。右SBとして評価を高めている。(C)SOCCER DIGEST

 FW金崎夢生に続き、6月7日にはGKランゲラックの新型コロナウイルスの陽性判定を発表した名古屋。今後のチームトレーニングのスケジュールは未定だが、小西工己代表取締役社長が説明する通り、7月4日のJ1再開に向け、できる限りの準備を行なうことになる。

 そのなかで再開後の注目株を挙げるとすれば、昇格2年目のDF成瀬竣平だろう。中断前に行なわれたふたつの公式戦(ルヴァンカップとリーグ開幕戦)、そして準公式戦と言えるダゾーンの中継が入ったふたつの練習試合すべてにスタメン出場し、熾烈な右SB戦線に新風を吹き込んでいる。

 太田宏介、吉田豊、そして宮原和也とレギュラークラスに負傷者が相次いだ開幕前後のチームを救ったこの若武者は、「自分は確立された選手ではないので、その分はまた一からのスタートだと思っている」と謙遜しつつも、「同じポジションの選手には今まで以上に負けたくない」と、頼もしい。


 
 ユース時代は「守備的サイドハーフ」と呼ばれ、得意のドリブルを活かした攻撃以上に、その献身性が買われていた。風間八宏監督時代には2種登録としてルヴァンカップなどで出場機会を得ていたが、SB起用はその頃から続く彼の活かし方となっている。

 前体制では技術の高さと運動量、現フィッカデンティ体制下では守備のコーチングに成長の跡を見せ、より現代的なSBとしての研鑽に勤しむ日々。チームの活動休止時期には良い手本を見つけたらしく、目下研究を進めている。

「最近はダニエウ・アウベス選手(バルセロナなどで活躍し現在はサンパウロでプレー)の動画をよく見ています。ボールの持ち方だったり、クロスをどうやって蹴っているのかなというのは特に注目していますね。守備のことは(フィッカデンティ)監督がみっちり教えてくれるので(笑)、攻撃的なところを自分で学んでいこうかなと。

 いろいろ見たなかでは今の自分が理想とする選手が彼でした。アンケートには『トレント・アレクサンダー=アーノルド(リバプール)』って書いているんですけど、僕はあんなにクロスが上手くない(笑)。理想ではありますけど、今は誰を目標にしたいかと言ったら、ダニエウ・アウベス選手になりますね」

 あくまで考えているのは攻撃面での貢献度アップだ。守備はシステム上での考えもあれば連係もある。DFライン中央には丸山祐市と中谷進之介という頼れる先輩たちがいる。元々、闘争心も強いタイプだけに対人守備で後れを取ることも少ない。

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