【J再開後の注目株|水戸】プロ3年目に決意の移籍。“背番号10”の並々ならぬ心意気

2020年06月07日 佐藤拓也

「最も熱意を感じた」水戸へ移籍を決意

山口は怪我の影響で開幕戦を欠場。しかし、中断期間を活かしてコンディションを取り戻した。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 水戸はリーグ中断期間中の3月に浦和と練習試合を行なっていた。45分×4本で最終スコアは10-10という派手な打ち合い。そのなかで特に存在感を示したのが今季、鹿島から期限付き移籍で加入し、背番号10を背負っている山口一真だ。

 2本目の途中から左サイドハーフに入ると、キレのある動きで攻撃を牽引。右サイドの松崎快からパスを受けてペナルティエリアに侵入し、右足を振り抜いて得点も奪った。

 阪南大時代に関西大学リーグで3度のアシスト王に輝くなど、大学屈指のアタッカーとして注目を集めた山口。しかし18年に加入した鹿島では、2年間でリーグ戦の出場はわずか17試合、先発にいたっては3試合と思うような活躍はできなかった。
 
 それでも「理想の自分に一歩一歩近づいている実感もある」と下を向くことはない。

「試合に出られなかったからこそ、学んだことはあります。学生時代は常に試合に出ていたので、出られない選手の気持ちが分かりませんでした。でも、今は分かりますし、そういう時期を過ごしてひと回り大きくなったと思っています」

 その進化を実証するためにプロ3年目の今季、移籍を決意。様々な選択肢があるなかで選んだのは「最も熱意を感じた」水戸だった。
 

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