三浦泰年が選ぶJ歴代最強チーム「団結力のあるエスパルスの上には、いつもヴェルディがいた」

2020年06月07日 三浦泰年

「強いだけでなく“美しく、闘える”」

三浦氏が1位に選んだ「93年のV川崎」の布陣。MVPだけでなくMIPにもカズを選出した。

 5月28日発売のサッカーダイジェストでは、「Jリーグ歴代最強チーム」と題し、現役選手や元日本代表など総勢50名に"歴代で最強だと思う3チーム"を選んでもらっている。ここでは、現役時代は"熱い"プレーで観衆を沸かし、監督としては北九州や鹿児島で手腕を発揮した三浦泰年氏の"最強チームトップ3"を紹介しよう。

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「三浦泰年氏が選ぶ"最強チームトップ3"」
1位:1993年のヴェルディ川崎
2位:1993年(ニコスシリーズ)の清水エスパルス
3位:2005年のジェフユナイテッド千葉
 今のJリーグがあるのも、この93年のヴェルディがあってのことであろう。

 カズ(三浦知良)は、個人で決め切る力や、ドリブルからフィニッシュまでの美しさなど、その素晴らしい技巧で日本のサッカーを変えていった。

 その他でも、絶対的な存在感を放ったラモス瑠偉、高いキープ力と非凡なゲームメイクを見せたビスマルク、フィニッシャーの武田修宏、ハードワークをこなす北澤豪らがエレガントさを演出すれば、守備の中心である柱谷哲二やペレイラらは、守るだけでなく、攻めの起点にもなる。

 攻守にバランスが取れていて、強いだけでなく"美しく、闘える"。僕にとって堂々の1位であり、歴代最強に相応しいチームだと思う。

 当時、僕は対戦相手としてその強さを知ることができたけど、僕が所属していた清水エスパルスが"万年2位"とか"シルバーコレクター"とか呼ばれたりもしたのは、僕らの上にはいつもヴェルディがいたからだ。

 もっとも、エスパルスも団結力のある良いチームだった。特に、惜しくも2位に終わった93年のニコスシリーズでは、強かったと思う。エメルソン・レオン監督の下で鍛えられて、運動量を武器にハードワークして、勝負強くもあった。

 澤登正朗や向島建ら地元で育ったサッカー小僧たちが静岡に戻ってきて、しっかりとしたテクニックを持つエドゥーやトニーニョらブラジル人選手たちと力を合わせ、ひとつになって戦う。なかでも、(長谷川)健太の存在は大きかったね。攻撃の最大のキーマンとして、常に相手に脅威を与えていた。
 

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