【山形】ここまでの機能をよくぞ詰め込んだ。質実剛健な新クラブハウスが完成

2020年06月06日 嶋 守生

「こんなクラブハウスがあると言える施設ができた」(相田社長)

新クラブハウスの外観。デザインはシンプルだが、ほぼ箱型で様々な機能を詰め込めるだけのポテンシャルがある。外壁に施されるクラブエンブレムに関しては、現在クラブ側がエンブレムを変更するかどうか検討中のため、設置せずに保留してある。写真:shimamorio

 モンテディオ山形の新クラブハウスが山形県総合運動公園内に完成し、6月5日にテープカットとメディア向け完成内覧会が行なわれた。普段トップチームがトレーニングで使用している第3運動広場の真横にある立地で。

 施工主はモンテディオ山形の鎖骨スポンサーでもある「クリエイト礼文」。木造地上2階建て、延床面積は1227.53平方メートルと現クラブハウスからおよそ2.5倍の広さになった。

 トップチームの使用は6月下旬からを予定している。

 現在チームが使用しているクラブハウスは、1992年に開催されたべにばな国体に向けて山形県総合運動公園を建設する際に工事関係者が利用していた詰所を改装したもので、すでに築35年。ロッカールーム、リラックスルーム、浴室、メディカルルームなど必要最低限の機能は備わっていたものの、選手が屋内でマシントレーニングを行なうスペースがないため、運動公園内の一室を別に借り上げて使用するなどなにかと不自由が多かった。

 相田健太郎社長によれば、地方クラブが古いクラブハウスを使用していることで、新卒選手獲得競争で遅れを取ったり、移籍交渉時のネックになったりもしたという。

 相田社長は「こんなクラブハウスがあると言える施設ができた」と胸を張る。クラブとしての価値が大きく高まる施設が完成したと言えるだろう。
 
 新クラブハウスの中身は、現クラブハウスでもあった各部屋が広くなっただけでなく、食堂やコーチングスタッフ用の更衣室、記者会見室、アカデミースタッフルーム、練習試合などでビジターチームが使用する更衣室、インタビュールームや応接室、ホペイロ用の部屋などの機能が新たに備わっていて、クラブライセンスA等級基準の機能を完備している。

 特に35人が一堂に会するラウンド型のロッカールームや35坪の広さに2階まで吹き抜けて作られた屋内トレーニングルームなど選手が多く使う場所に多くのスペースを割いていて、大きな構造物とはいえ、ここまでの機能をよくぞ詰め込んだと感心するほどだ。

 

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