【J再開後の注目株|柏】「イメージはトップクラス」の39番は、強烈なインパクトを放てるか

2020年06月05日 鈴木潤

開幕戦では瀬川の不在を感じさせない素晴らしいプレーを披露

リーグ開幕戦は30分から途中出場した神谷。果敢な仕掛けから多くのチャンスに絡んでいた。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 2月22日のJ1開幕戦。瀬川祐輔が負傷し、30分で交代を余儀なくされた。

 J2を優勝した昨季、瀬川の活躍は出色だった。得点数は8とチーム4番目の数字だったが、攻守両面におけるチームへの貢献度は昨季J2でMVP級の働きと言っても過言ではない。したがって今季の開幕戦で、瀬川が早々に退くことになったのは、柏にとっては非常事態だった。昨年までならば――。

 交代で投入されたのは神谷優太。39番を背負うニューフェイスは、瀬川の不在を感じさせない素晴らしいプレーを披露し、チームの開幕戦快勝に貢献した。

 直近2シーズン、神谷は期限付き移籍先の愛媛で66試合に出場し13得点という成績を残した。昨年6月にはトゥーロン国際大会に出場するU-22日本代表にも選出されている。J1に再挑戦すべく、今季から柏に新天地を求めた。
「去年の愛媛では、僕ひとりで打開することしか考えていなかった」という神谷。ただ、柏の新体制発表会では、江坂任をはじめとした攻撃陣との共演を楽しみにしており、自分自身も含めて「僕たちのイメージはトップクラスだと思う」と融合に自信を覗かせていた。

 開幕戦のピッチでは、その感覚が間違いではないことを示した。札幌戦の自分のプレーを振り返る。

「良いコンビネーションができたと思います。自分は顔を上げた瞬間のアイデア、引き出しは持っていると思いますし、それを上手く合わせることができました。とにかくレイソルは一人ひとり個々の力が凄いので、どんなプレーをしても合わせられると思います」

 キャンプの時点ではまだ神谷の序列はそこまで高くはなく、一貫してBチームでプレーしていたため、江坂、オルンガ、クリスティアーノと同じチームで長い時間に渡ってプレーをするのは開幕戦が初めてだった。本来ならば連携不足を露呈してもいいはずだが、逆に神谷は今後に期待を抱かせるコンビネーションを見せた。

 左サイドからドリブルを仕掛け、カットインで侵入していくプレースタイルは、江坂、瀬川、クリスティアーノ、オルンガの4人とは異なるテイストだ。

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